「運動すれば安心」で見落とす寝たきり予防の盲点――国内のフレイル研究第一人者が示した調査結果からわかった"習慣"

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仕事一筋で生きてきた人たちも、65歳になって定年退職をすれば、地域に戻っていきます。今までは自宅と職場の往復だったのが、自宅を拠点に地域で過ごすようになるのです。そうした人たちが、今後、急激に増えていきます。

あなたは、地域に居場所がありますか?

「ある」と答えた方は、地域活動をどうぞそのまま続けてください。それが地域の人たちの役に立っていく一方で、あなた自身のフレイル予防、要介護予防に役立つからです。

一方、「ない」と答えた方は、定年退職後の生活を想像してみてください。地域の人たちと面識のない状態で、「明日から仕事がない=行く場所がない」となった場合、どこへ行き、誰と会話する日々になるのでしょうか。

「地域に居場所がない」ということは、行く場所や会話する相手が著しく減る、ということにつながっていきます。そのことが、フレイルを引き起こす原因になりやすいのです。

これは、私の知人から聞いた話です。

その知人の友人は仕事に人生をかけ、毎日、残業もいとわず働いてきました。しかし、そんな友人にも定年退職の日がやってきました。奥さんには「お昼は作りませんから、自分で勝手に食べてください」「週に3日は、どこでもいいので出かけてください」と言われてしまったそうです。

彼は行き場がないので、最寄り駅から電車に乗って数駅先まで行き、その周辺を散歩しながら公園を探し、ベンチでコンビニのサンドイッチを食べる。しばらく、そこで本を読んだり、ネットニュースを見たりして時間をつぶし、夕方に家に帰る。そんな日々を過ごしていたそうです。

書いていて胸の詰まるエピソードですが、こうしたことは決して珍しい話ではありません。実際によくある話です。

そして、その現状こそが、フレイルの第一歩ともいえます。

退職後の人間関係は万全ですか?

会話できる相手がなく、行く当てもなく、食事に対する興味も失ってしまう。そうなると、今度は家から出ようという意欲も失われやすくなります。そこから、心身の虚弱=フレイルが始まっていきます。

こうした人たちが多くなっていくのが、超高齢社会の現状なのです。

現在、人生100年時代といわれています。65歳で定年退職をすれば、その後の人生は35年も続くことになります。

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