「運動すれば安心」で見落とす寝たきり予防の盲点――国内のフレイル研究第一人者が示した調査結果からわかった"習慣"
次に「フレイルのリスクが高い」のはどのグループか見てください。
なんと「身体活動(運動習慣)」はあるけれども、「文化活動」と「ボランティア・地域活動」がないグループなのです。このグループは、3つすべてを行っているグループの6.4倍もフレイルのリスクが高いことがわかりました。
では、「身体活動(運動習慣)」はしていないけれども、「文化活動」と「ボランティア・地域活動」を行っているグループのリスクはどうでしょうか。
結果は、すべて行っているグループの2.2倍。「身体活動(運動習慣)」はあるけれども、「文化活動」と「ボランティア・地域活動」がないグループより、リスクははるかに低いものだったのです。
このグラフをよく見ると、あることに気づきませんか。
「身体活動(運動習慣)」、「文化活動」、「ボランティア・地域活動」のうち、どれか2つの組み合わせで行っている人のリスクは1.5~2.2倍、どれか1つしか行っていない人のリスクは6倍前後、3つとも行っていない人は16.4倍ということです。
私もそうでしたが、フレイル予防には「身体活動(運動習慣)」が一番効果的なイメージを持っていました。
しかし、このデータからわかることは「身体活動(運動習慣)」、「文化活動」、「ボランティア・地域活動」の効果はそれぞれほぼ同等だということです。
何もやらないよりは1つやったほうがよい。1つよりは2つやったほうがよい。もちろん3つが一番よい。運動が苦手な方は、無理に運動などしなくても文化活動やボランティアなどを行えば、十分フレイル予防の効果はあるということです。
現状を見ることから始めよう
私は、講演会の際に、参加者にこんな質問をよくします。
「みなさん、胸に手を当てて考えてみてください。あなたは、フレイル予備群になってはいませんか? もしくは、パートナーがそうした状況になっていないでしょうか」
そのうえで、もう1つ尋ねます。
「あなたは、地域活動に参加していますか? もしも、地域活動がフレイル予防の最良の方法になるとしたら、参加してみたいと思いますか? フレイルを予防することで、寝たきりや要介護になることを遅らせることができるとしたら、パートナーを参加させますか」
「令和7年版 高齢社会白書」によれば、65歳以上の高齢者は、2024年10月1日には3624万人になり、人口の29.3%を占めています。2043年にはピークを迎える予測です(3953万人)。
2037年には、65歳以上人口は33.3%となり、人口の3分の1は高齢者という時代がやってくる、ということです。



















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