受験競争の激しい韓国で「1年間"休む"」選択をした子どもたち——。『オー・マイ・ニュース』創設者ら語る、日韓に共通する「教育の未来」
韓国を代表するオンラインメディア『オー・マイ・ニュース』の創設者でありジャーナリストのオ・ヨンホ氏。『オー・マイ・ニュース』は、SNSが普及する以前から “すべての市民は記者” という理念を掲げ、日本でも早くから注目を集めてきた。日本の報道関係者の間でも、今なお一目置かれる存在だ。
そのオ氏が、現在強い関心を向けているのが「教育」だ。デンマークにある全寮制型の学校「エフタスコーレ」に感銘を受けて設立したという「クムトゥルリ人生学校」には、日本の若者が抱える「生きづらさ」にも似た悩みを持つ子どもたちが集う(人生学校は2025年12月現在、一時的に閉鎖中)。
同校を舞台に制作されたドキュメンタリー映画『大丈夫、アリス』は韓国で大変な反響を巻き起こし、受験戦争が過酷だといわれる韓国の教育界へ一石を投げかけた。
この映画を日本でも上映したい、と一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」がクラウドファンディングを実施し、10月、都内で上映イベントが実現。
ヤン・ジへ監督、オ・ヨンホ氏、そして日本で、主に都市部の中学生が、「自分のやりたいこと」を軸に、地方の公立高校に進学する「地域みらい留学」を手がける一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」代表理事・岩本悠氏によるトークショーも開かれた。
日本と韓国、それぞれの社会で若者が抱える苦しさの根にあるものは何か——。当日の様子をレポートする(聞き手:TBS CROSS DIG with Bloomberg チーフ・コンテンツ・オフィサー 竹下隆一郎氏)。
「幸せ」を感じられない子どもたち
――「オー・マイ・ニュース」を立ち上げたオさんが、教育に関心を持ったきっかけは?
オさん:中高生の時は小説家になりたかったのですが、大学に入ったら、韓国の民主主義のために学生運動をしていました。その結果、1年間、牢屋にいました。牢屋から出てきた時に、小説よりも事実が大事だと思って、記者になりました。
ですが、私が望む言論メディアがなかったので、メディアを作らなければいけないと思った。それで、2000年に「オー・マイ・ニュース」というメディアを作りました。そのモットーは「すべての市民は記者だ」というものです。



















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