この寓話では、目の不自由な人は誰もゾウのことがわからないが、自分の考えを正しいと確信し、その考えを押し通している。
言わんとすることは、あるテーマに関してどれだけ確信をもって自分の意見を主張しても、反対の意見をもっている人も自分が正しいと信じているということだ。
真実は誰のものでもない。
科学の世界では、この寓話と似たたとえが、肉眼で確認した、あるいは特定の分野の専門家の手法で確認した真実とされるものを検証するときに使われる。
たとえば、1932年にノーベル物理学賞を受賞し、量子力学のパイオニアと考えられているヴェルナー・ハイゼンベルクは、次のように警告した。
「測定用の装置は観測者がつくっている。私たちが観測するものは自然そのものではなく、私たちの研究方法にさらされた自然であるということを、肝に銘じておかなければならない」
通常、ある科学の分野が問題に直面すると、さまざまな科学者のグループがいろいろな仮説を主張するが、どの仮説が正しいか誰も説明できない。科学に多大な貢献をし、歴史に名を残すような人は、仮説間の矛盾を取り除いて、ひとつの理論への統合に成功している。
ゾウの寓話から学ぶ3つのこと
科学の分野に限らず、ゾウの寓話は次の3つの方法で私たちの生活に生かすことができる。
最後に、この寓話を補強するアリストテレスの言葉を引用してみよう。
「全体は各部分の総和よりも重要である」

