窪田:医師の育成について詳しくうかがってきましたが、そのほかの専門職の方についてはいかがですか?
酒向:多職種にそれぞれの優秀な指導者を集めています。その総力戦が必要になります。セラピストや看護師から、「この患者さんは暴言や暴力があり、困っています」と聞くことがあります。患者さんが問題を起こすときは、そうした行動を引き出してしまうような仕草を、こちら側が無自覚にしてしまっている可能性もあるのです。
大切なのは患者を知り、敬意を払い、うまくおだてること
まずは患者さんに敬意を払って、今日まで立派に生きてこられたということへのリスペクトを会話の中で表現しながら、目の前のこういう問題に対して一緒に頑張りましょうという空気を作る必要があります。最初からいきなりガツンとリハビリや看護を始めるのではなく、まず患者さんのことを知って、信頼関係を得て進めることが大切です。しかしここにあまりにも時間をかけていると、それはそれでリハビリにならない。冒頭の1分間ぐらいの導入で、「リハビリをしたい」という気持ちに持っていかなければいけません。
そこで、一人の患者さんに対する多職種の情報共有も必須になります。とにかく患者さん自身がやる気になることが何より大事なので、うまくおだてないといけないんです。難しいことですが、この辺りをチームの担当者に共有して、理解してもらうことにも尽力しています。
窪田:なるほど。そうして全員が一流のチームを作り上げることで、患者さんの超回復を生んでいるというわけですね。
(構成:鈴木絢子)
