酒向:評価と結果の話をすると、最初のうちは、ドクターはドクターだけで考えようとしてしまいます。でも実際に患者さんのリハビリ訓練を担当しているのは、チームのうちの理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の仲間たちです。夜間の患者さんの不安定さを見ているのは看護師だし、昼間はケアワーカーの視点が大切です。この仲間たちのしていることを医師が確認して理解しなければ、患者さんはよくならないのです。論文を読んだりオーダーを出したりするだけの「指示医」でなく「主治医」となり、現場を見てきちんと「評価」し、状況を把握し戦略を考えて「結果」を出しなさいと教えているのです。
リハビリにも科学的な予後予測を
窪田:臨床医をやっていた頃の私にも、その視点はありませんでした。看護師さんをはじめとするパラメディカルの方たちが、きっとうまくやってくれているだろうと――よくも悪くも任せっきりで、そのクオリティーがどうなっているかという目線で見たことはなかったと思います。
酒向:例えば患者さんが3カ月間入院する場合、われわれは2週間後にどうなるか、1カ月後はどうか、2カ月後にはどうなっているかという経過が、だいたいわかっているわけです。でも、それがよくわかっておらず、予後予測をきちんとできない先生だと、回復したときも単なる「結果オーライ」になってしまうのです。なぜそれでよくなるのか説明ができなければ次につながらないのに、「ああこんなもんか」という、いわば勘違いをしてしまうわけですね。
到達したい目標を決めて、そこにたどり着けていないとしたらそれはなぜなのか、どんなアプローチに変えるべきなのかを考える。この予想も含めて評価をし、科学的に結果を出すということがしっかりできるかどうか。これが大きなポイントだと思います。
窪田:うまくいっているときもそうでないときも理由を見極め、患者さんを誘導してあげることが大切ですね。脳外科出身の方が多いとか、直接リハビリの世界に飛び込む方が多いとか、お弟子さんのバックグラウンドに傾向はありますか?


















