名門小学校に受かる子はどこで「本物の情報」を得ているのか––ハイソだけが使う《看板のない予備校》と階層の深い闇
商売のコツは、お客様にリピートしてもらい、長く愛顧いただくことだーーと多くの人が信じて疑わない。この実にシンプルな法則を如実に体現しているのは、商品やサービスのみならず、ある業界全体だったりする。
その一つが、コンサル業界である。
コンサル業界は、一発で顧客が「よしわかった! わが社の成功が完璧に描けました!」となってもらっては困る。相談=コンサルティングが必要なのは、困っているとき、うまくいっていないときだ。ここまで言えば、皆まで言わなくてもよいだろう。
解けない問いを残してやっていく。そう簡単に解決しないので、ここからはまたある種の課金ゲーム化する。もっとプロジェクト規模を大きくすれば、進捗があるかもしれない……あと○億円です、と。我々が作った人事制度に問題はないが、御社内の運用に難あり。運用のてこ入れをするならあと○億円です、と。
「こんまり」のクライアントはリピート不要
他方で、興味深いこんな話もある。片づけで一躍有名になったこんまりこと、近藤麻理恵氏のモットーだ。
こんまりメソッドこと、片づけの技術は、整理整頓・掃除テクニックに到底限らない。何に自分はときめくのか。何は自分のなかで過去のこととして終わらせるべきか。これは
「心を整える」
ことに直結する営為とされている。彼女はインタビューにこう答えている。
はい、こんまりは単なるお片づけ屋さんではなく、「心の掃除」を司る女神なのだ。つまり、自己啓発の一つの総本山であり、成功哲学の一種なのだ。
だが、近藤さんというのは本当に聡明な女性なのだと気づかされる。なぜなら、だらだら契約を続けない。彼女はきっぱりとこう言う。
私がお伝えしたいのは、
一生に一度の「祭りの片づけ」を
一日でも早く終わらせてほしいということです。
(『人生がときめく片づけの魔法』より抜粋)"
痺れる。これはご本人が2019年にオフィシャルFacebookアカウントから発信された内容だ。コンプレックス産業が、いわば「リバウンド」によってうまくいかない状態を維持継続させながら、商売を繫盛させることが少なくないのに対して、こんまりは、リバウンドしないから、自分のクライアントはリピート不要、一度私にかかればいいと明言するのだ。
これは……片づけコンサルタントではなく組織開発コンサルタントとしても耳が痛い。一難去ってまた一難的な感じで、クライアントに長らく「伴走」なんて呼んでいる自分が少々恥ずかしくなった。が、卒業させない仕組み、というのは、多くの産業振興に欠かせない点は、ぜひ覚えておきたい。
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