「残りはこいつに聞いて」 《自分そっくりアンドロイド》で脚光の阪大教授、取材時間オーバーで退室→ロボットに対応引き継ぎで見た"驚愕の光景"
――(このレベルの回答ができるとは……!)AIや科学技術がどんなに発達しようとも、人間が忘れてはならないこと。人間だからこそ磨いていかなければいけないスキルや、果たすべき使命はなんだと思われますか。
ジェミノイドHI-6:問い続ける力ですね。技術はすぐに答えを出してくれますけれど、本当に大事なのは「何を問うか」なんです。人間は考える動物ですからね。あともうひとつは、他者との関係性を磨くこと。テクノロジーがどれだけ進化しても、人が人を感じる力、共に生きる力が人間の核心であることは変わりません。
定年なんて関係ない、考えることに期限はない
――石黒さんは62歳でいらっしゃいますが、研究はいつ頃まで続けられますか?
ジェミノイドHI-6:できるかぎりずっとだよ。定年なんて関係ない。考えることに期限はないからね。年齢ってあまり意味がないと思っているんです。やりたいことがある限り、いくつになっても人間は生き生きとできる。僕は、これからもやりたいことをやるだけです。
――新たに挑戦してみたいことはありますか?
ジェミノイドHI-6:今の自分を越えるチャレンジですね。今のままで解ける問題は、本当の意味での挑戦じゃないんです。自分を変えないと解けないようなテーマに取り組む、それが研究者の本質ですから。技術者でありながら哲学者になるくらいの変革が必要だと思っています。(取材終了)
***
ジェミノイドHI-6は、答えも表情も、ちょっと怖いほどに石黒さんに似ていた。人間か?──と問われれば、やはりどこか違和感は残る。けれど、そこにはたしかに“存在感”があり、対話を重ねるほどに「心」があるようにも思えてきた。
自分の心がどこにあるか、意識したことはあるだろうか。科学が人間らしさを模倣できる時代、アンドロイドは私たちに改めて問いかけてくる。
「心とは何か」「人間とは何か」。
それは未来を生きる、私たち一人ひとりへの問いなのかもしれない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら