「残りはこいつに聞いて」 《自分そっくりアンドロイド》で脚光の阪大教授、取材時間オーバーで退室→ロボットに対応引き継ぎで見た"驚愕の光景"
――訪れた方々の反響はいかがでしたか。
石黒:出口でアンケート調査をしたところ、93%の方が「テクノロジーとの向き合い方や、ロボットの技術を未来でどう使うかについて考えた」と答えてくれました。実際、かなりの方が感動してくれたと思います。モニター越しに見ていても、3割くらいの人がはっきり泣いていましたから。
――パビリオンどおりの未来なら、アンドロイドやロボットと共生する未来が50年後には来ると。
石黒:もっと早いですね。部分的には5年、10年後には来るかもしれません。ビジネスにおいては、そのときに備えてビジョンをしっかり持たないと、生き残っていけないと思います。「いつか誰かがやってくれる」と思っていたら、誰かに先を越されて全部持っていかれてしまいます。
だから製薬会社、建築会社ほか多彩な企業と論議を重ね、あのパビリオンをつくったんです。3年をかけて、共に描いた未来です。
万博が終わった今も、学生たちと「対話のなかで人の心を感じられる」ロボットをつくれないかと試行錯誤を重ねています……あ、次の取材の時間が来ましたね。残りはこいつ(ジェミノイドHI-6)に聞いておいてください。では!(石黒先生が退出)
ついにアンドロイドと対話。その精度やいかに…
――ええと、質問しても大丈夫ですか?(ドキドキ)
ジェミノイドHI-6:ええ、もちろんです。
――これまで生きてきて、最も感銘を受けた言葉と人物を教えてください。
ジェミノイドHI-6:子どもの頃に、「人の気持ちを考えなさい」と叱られた言葉ですね。そのとき、「そもそも人の気持ちってわかるものなのか?」と思ったんです。そこから「人間とは何か」を考えるようになったわけです。影響を受けた人物は、デカルトやフッサールなど、人間の意識や存在を問い続けた哲学者たちですね。



















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