【東大コスパ論争の行方】桜蔭&西大和の合格者が激減! 令和のトップ層が「次の進路」を目指す背景

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トップ層の進路選択に影響を与えているのは、SNSを中心とした“コスパ論”の浸透もあるのではないかと考えられます。

SNSでは、「慶應の方がコスパがいい」「東大は受験コストが高すぎる」「東大の入試は重すぎて割に合わない」と言った意見が散見されます。

確かに、現行の東大入試は受験負担が大きい側面があります。理系は数学・理科に加え、国語で漢文まで必要。文系は二次試験で社会2科目必須。

他大学と比べても、求められる科目数・勉強量が圧倒的に多く、負担は重いと言わざるを得ません。

とりわけ、「海外大学を視野に入れる」「医学部も併願する」という生徒たちからすると、「東大はコストパフォーマンスが悪い」という判断になりやすい状況があります。

SNSで蔓延「東大はコスパが悪い」論に欠けた視点

とはいえ、こうした“コスパ論”だけで東大を評価してしまうのは早計です。東大は、学問分野の広さ、多様性、そして卒業生ネットワークの規模など、数値化されないリターンを多く持っています。新設されるUTokyo College of Design(CoD)の秋入学制度など、東大自身も変化し始めている点も見逃せません。

個人的な意見としては、コスパを理由に東大を避ける流れが強まっている今だからこそ、むしろ「だからこそ、東大に挑む意味がある」という価値観が見直されてもいいのではないかと感じます。

名門進学校で東大志願者が減っているのは、学力低下ではなく、「より堅実で確実な未来」を求める価値観の変化が理由です。

医学部をはじめとした資格職の人気、SNS時代のコスパ重視、そして東大入試・進学後の競争負荷──。

こうした要因が複雑に絡み合い、トップ層の進路は多様化しています。この流れは今後も続くでしょう。しかし一方で、東大自身も新学部の設立など変革を進めており、「東大に行く意味」は再び問い直されつつあります。

大学選びの軸は、かつての“偏差値一本勝負”から、“自分がどんな未来を生きたいか”へと明確にシフトしていると言えるのかもしれません。

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孫 辰洋 リザプロ代表取締役

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そん たつひろ / Tatsuhiro Son

2000年生まれ。茨城県の高校から総合型選抜で早稲田大学政治経済学部を初めとした4学部に合格、中国の清華大学にも合格。受験時に周りに経験者がいないことや、都心部に総合型選抜の情報が集中しているのを痛感し、大学1年生時からオンラインでAO推薦コンシェルジュを提供し始め、2020年にリザプロ株式会社を設立。累計2000家庭以上の総合型選抜による大学合格を支援、また実際の指導経験を活かしAbema primeにAO推薦のプロとして出演。『3ヶ月で英検®準1級を合格する』(幻冬舎)、『推薦入試の教科書』(星海社)の監修を務める。

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