狙うは"浦和レッズ超え"のビッグクラブ、RB大宮「挑戦者に翼をさずける」戦略がJリーグの未来を変える日

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同クラブの過去最高売上高は、18年度の39億7200万円。そこからJ2に7年、J3に1年在籍したことで数字は下降線をたどったが、レッドブル傘下入りというインパクト、J2での躍進によって新たな希望が見えてきている。

「今、J1の最高年間収入が浦和レッズの100億円。平均収入が50億円くらいです。われわれがその上に行こうと思うなら、当然、その規模は目指さなければいけない。僕がJリーグの副理事長をやっていたときに外資100%資本の門戸を開いたんですが、いずれは200億~300億円になるクラブが出てきてほしいという願いがあった。外資参入によってそういう機運が生まれるなら理想的です」と、RB大宮の原博実社長は前向きに語る。

原博実
インタビューに答える原社長。その傍らにはレッドブルシュガーフリーが置かれていた(写真:筆者撮影)

とはいえ、いきなりその規模感にジャンプアップできるわけではない。実際、今季のチーム人件費に関しても、24年にJ2を制覇した清水エスパルスの21億円5700万円、同2位の横浜FCの14億0700万円、同3位のV・ファーレン長崎の15億1900万円には及んでいない。

レッドブル傘下に入った彼らは目下、スポンサーによる強固な支援体制を構築しようと奔走中だ。経営基盤の強化は今後のRB大宮の重要なテーマといえるだろう。

可能性を信じて挑戦者に投資

「ただ、レッドブルはやみくもにお金を使って強化していくという考えではなく、若い選手をしっかり育て、ビッグクラブに売却して、それを新たな投資に回すというのを重視しているクラブなんです」(原社長)

原社長がこう強調するとおり、レッドブルグループは若い力の成長に目を向け、積極的なアクションを起こしている。Jリーグが旗を振って26年からスタートするU-21リーグには将来的な参戦を探っていく考えで、いずれは提携クラブを作って若手を育てる体制も作りたいという。

ユース年代のスカウトに関しても、これまでは学校が終わってから大宮まで通える範囲内に限定していたが、今後は範囲を広げて、寮で預って育成できるように体制整備を進めていく構え。スカウティングスタッフの増強も図っているもようだ。

一方で、国際的ネットワークを駆使して、アカデミーの海外交流も推進している。世界中の選手を海外チームでトレーニングさせるような機会もあり、10代の若手にとっては非常に大きな刺激を受けることになる。

「そこにアカデミーのコーチも帯同して練習を視察する機会もあって、指導者も成長できるチャンスを得られています。現地の文化や習慣に触れることで人間的な成長も期待できる。欧州生活の長い宮沢悠生監督もメリハリのつけ方はすごいですね。そういった活動に対して、レッドブルグループは『必要な投資』と考えてトライさせてくれる。そこは日本のクラブとの大きな違いです」(原社長)

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