【吉野家】鍋×ラーメンの意欲作『牛肉玉ラーメン鍋膳(とんこつ)』の"秀逸ぶり"──他社が追随しづらい「オンリーワン」の要素とは

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のぼり
店頭には赤背景の目立つのぼりが設置されていた(筆者撮影)

このラーメンを鍋に寄せる設計の背景には、10月に発売された「ばり嗎監修とんこつ醤油牛鍋膳」の成功がある。この商品は同グループのラーメン店「ばり嗎」のとんこつ醤油スープと「吉野家」の鍋の親和性を示し、非常にクオリティが高かった。この経験値が今回の開発において確実に活かされ、よりラーメンを意識した鍋へ進化したと推察できる。

「吉野家」がストレートにラーメンで勝負すると、どうしても専門店と横並びで比較されてしまう。しかし、「鍋」という自社の強い土台をベースにラーメンを再構築することで、専門店とは違う土俵で戦える土壌ができた。ここに「吉野家」の巧妙な戦略がある。

《「牛鍋膳」についてのレポート記事はこちら》
『吉野家】新メニュー「とんこつ醤油牛鍋膳」で肝煎りラーメン店・ばり嗎と初コラボ! 気になるお味と、見えてきた"新たな戦略" 

いざ実食!「牛鍋ラーメン」という新境地のうまさ

食べてみると、鍋としての完成度が極めて高い。牛肉の風味とタマネギの甘みがとんこつ醤油スープに溶け込み、単独でも十分成立する味の厚みがある。これが麺と合わさることで煮込みのうま味が生まれる。

鍋膳
「牛肉玉ラーメン鍋膳(とんこつ)」。鍋にご飯に麺に、なかなかのボリュームである(筆者撮影)

また、麺をご飯にバウンドさせるという新しい食べ方も非常に面白い。ラーメンのサイドメニューとしてのライスとは明らかに違うベクトルの美味しさを作り出している。玉子にくぐらせてすき焼き風に食べれば、もはや「牛鍋ラーメン」ともいうべき新ジャンルのうまさを感じることができる。

別添の「にんにくマシマシだれ」も、味変にとても効果的だ。第1弾の「牛玉スタミナまぜそば」にも付いてきたが、今回のとんこつ醤油スープとの相性はさらに良い。味変の幅が大きく、途中で投入することによって一気にラーメン的な刺激が増し、最後まで飽きずに食べられる構造になっている。

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