「幸せ」って、いったい何? 「嬉しい」とは別? フランス人留学生との《本質観取》のなかで見えてきた"深すぎる答え"とは
ここでは、本書で論じてきた本質観取の手順やファシリテーションのコツを振り返れるようコメントを入れながら、私たちがこれまでに実施してきた本質観取の模様をご紹介したいと思います。
「幸せ(ボヌール)」とは何か?
日本語教育の現場での本質観取の例を挙げます。以下は、フランスから来た留学生2人と、稲垣、岩内の4人で行った「幸せ(ボヌール)の本質観取です。
留学生の日本語のレベルは、中級から上級(日本語能力試験 【JLPT】のN2[2級]からN1[1級])。ファシリテーターは稲垣が務めました。
興味深かったのは、対話を続けているうちに、日本語の「幸せ」からフランス語のBonheur(ボヌール)へと、本質観取の中身が変化していったことです。
確かに、辞書的には「幸せ=Bonheur」です。 でも、対話が重ねられる中で、両者は単純なイコールでは結べないことが見えてきたのです。


















