元・大和証券部長が考える「日経平均5万円」は通過点にすぎない、その理由とは何か?

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企業が社会課題を解決していく長く険しい道のりをおカネで支えるのが株主、という関係にあり、株主がおカネと引き換えに手にするものが株式です。出したおカネは事業を営むためのものであるため、返ってくるものではありませんし、返せとも言えません。

となると、ここで疑問が生じます。そんなおカネを出す人がいるのでしょうか。いくら高尚なビジョンでも、出したおカネが返ってこないのであれば、寄付や慈善事業と同じです。たくさんの課題解決をもっと大きく永続的に行っていくためには、株主がおカネを出しやすく、会社がおカネを得やすくする仕組みが必要なのです。それが株式会社という制度です。

株主への見返りとは?

おカネを出す株主へはいくつかの見返りがあります。代表的なものが次の4つです。

1.利益をもらえる権利
2.会社を解散した際に残った財産をもらえる権利
3.会社運営に際し重要な決定を下せる権限
4.株式を第三者に売却できること

解説しますと、会社が生み出す売り上げからさまざまな経費を支払ったあとに残る利益は株主のものであり(1)、会社が役目を終え、清算するときに残る財産は株主のものであり(2)、利益や財産を生み出せる経営陣の選任といったさまざまな権利が株主には付与されています(3)。そして、株式を売却し現金にすることは可能とされ(4)、ただし値段は株価次第、というわけです。

こうして、株主が出したおカネの証書である株式は、会社が生み出す利益や財産、あるいはその期待によって形成された株価での売却にて回収でき、それができなければ紙くずにもなりうる、いわゆるハイリスク・ハイリターンの投資となるわけです。

この構図は、創業当初から、どんなに企業規模が大きくなろうとも、経営陣や株主それぞれの面々が交代しようとも、変わることはありません。企業は株主に対して利益をあげる責務を背負い続け、株主は利益をあげられる経営者を選ぶ権限を持ち続けるということです。

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