日本人は余暇の過ごし方が下手すぎる。すべての人が自分の人生を自由に描ける「1億総生活デザイナー時代の到来」を目指して

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高橋:都市にしか拠点がないと、この生活デザインの幅は狭まります。でももう1カ所、あるいは2カ所でも、どこか地方に拠点を置いて行き来すれば、季節やライフステージに応じた選択肢をぐっと増やして生活をデザインしていける。これってめちゃくちゃ楽しいことだと思いませんか。

窪田:とてもいいと思います。それをたくさんの人がいいことだと思ってくれれば、労働生産性も上がるしイノベーションも生まれるでしょう。しかし、会社に長時間いる人が頑張っている人であるような幻想が、いまだにはびこっていますよね。私は日本企業に勤めたことがないので実体験はないのですが、友人からは今もそういう話をよく聞きます。これはどうしたら変えられるのでしょう?

管理職になりたくない若者の増加は「歴史の答え」

高橋:道半ばの働き方改革ですが、これはイコール余暇の改革でもあります。先ほどもお話ししましたが、日本人はまだまだ余暇の使い方が下手すぎると思います。まずは丸の内にある大企業が変わることが大事でしょうね。そこが変わると、追随する会社も増えていくと思います。あとは変化の兆しというか、変わらざるを得ない状況も生まれていると思います。今、大企業がいちばん困っているのは採用です。75%の若い人が管理職になりたくないと考えているし、自分の生活を犠牲にしてまで働きたくないと思っている。彼らのそうした姿勢は、長時間労働を礼賛するような日本社会が生み出した、これまでの歴史のひとつの答えだと思います。「今時の若い子は」と非難するのではなく、そんな彼らが嬉々として働ける環境をどう作っていくか。未来はそこにかかっていると思います。

窪田:会社が変わらないと選ばれないですから、これは嘆いている場合ではありませんね。

(構成:鈴木絢子)

高橋 博之 雨風太陽 代表取締役社長

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たかはし ひろゆき / Hiroyuki Takahashi

1974年、岩手県花巻市生まれ。青山学院大学卒。代議士秘書等を経て、2006年岩手県議会議員に初当選。翌年の選挙では2期連続のトップ当選。震災後、復興の最前線に立つため岩手県知事選に出馬するも次点で落選、政界引退。2013年NPO法人東北開墾を立ち上げて「東北食べる通信」を創刊し、編集長に就任。2015年「雨風太陽」を設立。2023年12月、NPOからスタートした企業として日本初の東京証券取引所グロース市場上場を果たす。2024年11月には、内閣官房 新しい地方経済・生活環境創生本部が開催する「新しい地方経済・生活環境創生会議」の有識者構成員に就任。近著に『関係人口 都市と地方を同時並行で生きる』(光文社新書)がある。

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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