豚汁専門店「ごちとん」の台頭が静かな注目を集めている。運営母体は「かつや」「からやま」を擁するアークランドサービスホールディングス。
同グループの“豚汁の強さ”を知る者にとっては、この新業態が成立した理由にすぐさま膝を打つはずだ。実際、「かつや」の豚汁はチェーン系定食店の中でも突出した支持を得ており、この会社の「豚汁」を主役にした専門ブランドと聞けば、納得感のある人も多いだろう。
その「ごちとん」が近年、着実に店舗数を伸ばしている背景には、現在の“プチ豚汁ブーム”とも呼べる潮流がある。豚汁は野菜と肉をバランスよく摂取でき、味噌をベースにした健康感も手伝って、若年層を含む幅広い層にとって、食事の中心になりうる1杯として再評価が進んでいる。
家庭料理の代表格として長らく脇役扱いされてきた豚汁が、専門店という文脈で存在感を増していることは注目に値する。
「ごちとん」店頭に立って感じた、鮮烈な“違和感”
しかし、「ごちとん」を単なる時流への適合と片づけてしまうのは早計だ。このブランドの成長を支えているのは、豚汁という極めて伝統的なメニューに対して“ラーメン的”な売り方を徹底的に持ち込んだことにこそあると、ラーメンライターの筆者は感じている。
実際、「ごちとん」の店頭に立つと、まず最初に感じるのは「豚汁でありながら、発想が完全にラーメン店」という鮮烈な“違和感”だ。



















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