タイの自動車生産は今や絶好調 日本勢の独壇場に
積極的にタイへ投資する三菱自も、11年は洪水で部品供給が寸断、1カ月ほど生産停止を余儀なくされた。この4月からはタイの政権与党プアタイが総選挙で公約した、最低賃金の引き上げが始まっている。「われわれの期間工の人件費も40%は上昇する見込み」(安藤剛史・ミツビシモーターズタイランド工場長)。必ずしも環境はよくない。
それでも三菱自からすれば、タイにおける存在感は日本より大きい。12年予想の生産能力は年46万台と、トヨタ自動車に次ぐ第2位の規模だ(グラフ)。日本メーカー全体ではタイで8割のシェアを握るが、三菱自は1963年にいち早く進出したのが功を奏している。
ミラージュは78年に投入した初代から5代目まで、長らく水島製作所(岡山県)で造られてきた。日本で販売していたのは00年までで、今回は約12年ぶりの登場だ。往年の名車の名前を使ったものの、国内生産でなく、あえて逆輸入という形に踏み込んだところに、三菱自の“覚悟”がうかがえる。
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