中国シャオミの自動車事業が7~9月期に初の黒字化。価格競争尻目に業界トップ級の利益率だが、来年はスマホもEVも採算低下へ

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11月20日、50万台目のシャオミEVのラインオフを祝う工場の人々。年間販売目標を前倒し達成するなど売れ行き好調だ(同社のSNSより)

中国のスマートフォン大手の小米集団(シャオミ)の自動車事業が早くも黒字化した。

11月18日に発表した2025年7~9月期(第3四半期)決算では「自動車及びAI(人工知能)等新規事業」の営業損益が7億元(約150億円)の黒字を計上。5億元(約110億円)の赤字だった4~6月期から大きく改善し、24年3月のEV(電気自動車)第1号モデルの発売から1年強で初めて四半期ベースで黒字転換した。

7~9月期の全事業の売上高は前年同期比22.3%増の1131億2100万元(約2兆4700億円)とロンドン証券取引所グループ(LSEG)がまとめたアナリスト平均予測値の1165億元には届かなかった。一方、調整後純利益は前年同期比80.9%増の113億1100万元(約2500億円)とアナリスト予測値の103億元を大きく上回った。

全社の売上高が伸び悩むなかでも、EVに特化した自動車事業は絶好調で、事業別売上高は前年同期比191.8%増(4~6月期比37.4%増)の283億元に達した。

11月中旬には年間販売目標達成

シャオミによれば、11月17日からの週内には年間販売目標の35万台を達成し、26年にはさらに拡大する見込みという。7~9月期の新車販売台数は10万8800台と4~6月期の8万1300台からさらに拡大、年初からの9カ月間の累計販売台数は26万6000台となった。

自動車の平均販売単価も4~6月期の25万3700元(約554万円)から7~9月期には26万100元(約568万円)へと上昇した。これは主として高級セダン「SU7 Ultra」の好調な販売が寄与した。

25年7~9月期における自動車及びAI等新規事業の粗利率は25.5%と4~6月期に比べ0.9ポイント低下したものの、業界内では華為技術(ファーウェイ)が自動車メーカーの賽力斯集団(セレス)と共同で展開する「問界(AITO)」ブランド(24年通年で26.15%)に次ぐ水準でトップレベルだ。

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