中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の業績が、アメリカ政府の制裁の痛手から全面回復を見せている。
同社は3月29日、2023年の通期決算を発表。それによれば、売上高は前年比9.64%増の7042億元(約14兆7405億円)、純利益は前年の2.4倍の869億5000万元(約1兆8201億円)を記録し、3年ぶりの増収増益を達成した。
「目下の経営状況は予定通りだ。2024年は『鴻蒙』のエコシステムが本格稼働する最初の年になる。第1弾の200を超えるアプリケーションの開発を急ピッチで進めている」
ファーウェイの輪番董事長(訳注:交代制の会長職。任期は6カ月)を務める胡厚崑氏は、決算発表の声明の中でそう述べ、独自開発したOS(基本ソフト)の「鴻蒙(ホンモン、英文名はハーモニーOS)」を中核にしたさらなる事業拡大に意欲を示した。
5Gスマートフォンを再投入
事業分野別の業績に関して、胡氏は「通信事業者向けのICT(情報通信技術)インフラ事業は安定的に推移し、コンシューマー向け端末事業は計画通りだった。クラウドコンピューティング事業とデジタルエネルギー事業は順調に拡大し、スマートカー・ソリューション事業は本格成長のフェーズに入った」とそれぞれ評価した。
各分野の2023年の実績は、ICTインフラ事業の売上高が前年比2.3%増の3620億元(約7兆5775億円)。アメリカの制裁の打撃が最も大きかったコンシューマー向け端末事業は、5G(第5世代移動通信)スマートフォンの再投入が起爆剤となり、2023年の売上高が前年比17.3%増の2515億元(約5兆2644億円)に回復した。
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