「獣を殺すな!」「同じ目に遭わせてやる」「メイクするのは命への冒涜」と苦情が相次ぎ…それでも《現役・女性ハンター》が"狩猟を辞めない"理由

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具体的には、狩猟をする動画へのコメントで「死ね」「(駆除した動物と)同じ目に遭わせてやる」「内臓を出してやる」などという過激なもの。

仕事の合間にメイクをした状態で猟場に入ったことに対しても「命への冒涜だ」とお叱りを受けたこともあった。

最初はショックを受け、YouTubeを止めたいと泣きながらメンバーに相談したこともあったが、現在は冷静に向き合えているそうだ。

「誹謗中傷をしてくる人たちは、彼らの正義感で動いていただけで、恐らく私を傷つけるつもりはないんです。今は『そういう考えの方もいるよね』と思えるようになりました。私は自分の信念のもとに情報発信をしているので、(考えの違う視聴者とは)お互いの信念のもとに動いていきましょうね、というスルーする力と鈍感力が付きました」

動物の命を奪うという事実だけを見れば、「ひどい」「可哀そう」「止めろ」と思うのは当然だと、Nozomiさんも理解している。駆除に反対・批判をする人が間違っているとは決して思っていないという。

そもそも害獣の駆除は、人間が自分たちのために、自分たちの理屈で行うもの。だが視点を変えると、地球の環境に最も悪影響を与えているのは、人間かもしれない。「そう考えると、何が正しくて何が間違っているのか、簡単には結論を出せない問題だと思います」と、Nozomiさんは真剣な面差しで語った。

女性ハンター
獲物は猟銃で撃つこともある(写真:Nozomiさん提供)

東京時代、体重は10キロ近く増え、体調を崩した

東京で会社員をしていときは、ピンヒールを履いて得意先を回る日々。そこからなぜ猟師に転身したのだろう。

もともと自然に囲まれた土地で生まれた。子どものころは、男の子と外で遊ぶことが多く、よくケガもしたという。

「傘でアバンストラッシュ(『ダイの大冒険』に登場する必殺技)の練習をしたり、(『ドラゴンボール』の)舞空術の真似をしてみたりと、活発なほうでした。追いかけっこをして転んで骨折したことは何度もあります。過激な遊びばかりしていましたね」

Nozomiさん
東京時代、営業職をしていた頃のNozomiさん(写真:Nozomiさん提供)
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