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政治・経済・投資 #ウクライナ侵攻、危機の本質

不意打ちのウクライナ和平案で何が起きているのか/ロシア寄りのアメリカ調停案を懸命に押し返すウクライナ/トランプはまた二転三転か

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  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
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  • 戦時中の行為に対する完全な免責

戦争の全参加者に対し、戦争中の行為に対し完全な免責を付与し、損害賠償を求めないことに同意する。

問題点:国際刑事裁判所(ICC)は23年3月、ウクライナの子どものロシアへの強制連れ去りに関与した戦争犯罪の容疑で、プーチン大統領に逮捕状を出している。ICCは侵攻直後に起きたキーウ郊外ブチャで起きたロシア軍部隊による住民虐殺事件に関しても調査中だ。

プーチンは戦争犯罪の責任追及を逃れたい

さらに欧州連合(EU)はプーチンらロシアの戦争指導者の「侵略罪」を裁くことを目的とした「ニュルンベルク裁判」型の特別法廷設置に向けた動きを進めている。今回の完全免責条項は戦争犯罪の責任追及を恐れるロシアがプーチン氏の完全免責を狙ったものとみられる。

この問題は日本とも関係が深い。ICC判事として、他の判事とともにプーチン氏への逮捕状を出した赤根智子氏はその後、ICC所長になった。ロシアは赤根氏に逮捕状を出し、不当な圧力を加えている。それだけに完全免責は日本政府としても受け入れられないだろう。

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【劣勢なウクライナが守りたい原則とは何か】

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