血圧対策の「新定説」として注目度が急上昇…【高血圧】の人が今すぐ意識すべき"ナトカリ比"とは?

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結論として、ベストな方法は蓄尿ですが、随時尿によるナトカリ比の算出でもいいでしょう。しかし、それらを毎回行うのがなかなか大変ということも理解できます。

ナトリウムもカリウムも体内で生成することはできません。どちらも飲食物から摂取しています。ナトリウムのおもな摂取先は食塩で、食塩の成分のうち約4割がナトリウムです。

つまり、食塩1gには約0.4g(正確には0.393g)のナトリウムが含まれています。カリウムは多くの食材に含まれており、とくに野菜や果物に豊富に含まれています。なので、まずは自己流でかまいませんので、カリウムを意識的に摂取してみてください。その方法が正しいかどうかは血圧の変化にも表れると思います。

「食卓での工夫」がそのまま血圧に直結する

前述のとおり、正確な数値を知るためには蓄尿などで尿を調べるべきですが、1食に摂ったナトリウムとカリウムのバランスを知れば、おおよそのナトカリ比は推測できます。

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いままでよりも野菜や果物の量を少し増やし、ナトカリ比を低くする食事を続けていけば、大まかな目安になりますが、早くて数日、遅くとも数週間で血圧は下がっていくでしょう。ずばり、食卓での工夫がそのまま血圧に直結してくれるのです。

もしも正確なナトカリ比を知りたい場合は、外来受診日に採尿をしてもらいましょう。そして、あなたの食事の塩分量とカリウム量を調べてみてください。ナトカリ比が4を超えている人は、今すぐに改善すべきです。

毎食ごとにナトカリ比2未満を達成するのはとても難しいと思われます。しかし、そんな場合でも、1日のトータルでナトカリ比を考えればOKです。「お昼に塩分を摂りすぎたな」と思ったときは、夜にカリウム豊富な食材を摂ればいいのです。

なにをどれくらい食べたら、ナトカリ比はどうなるのか。慣れるまではこまめにチェックする必要があるので億劫になるかもしれませんが、それが高血圧の問題を解決するための糸口となっていきます。

渡辺 尚彦 高血圧専門医、医学博士

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わたなべ よしひこ / Yoshihiko Watanabe

高血圧専門医。日本歯科大学病院内科臨床教授、早稲田大学客員教授、聖光ヶ丘病院顧問、前東京女子医科大学東医療センター内科教授。専門は高血圧を中心とした循環器病。1952年、千葉県木更津市生まれ。1978年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業、1984年、同大学院博士課程修了。1995年、ミネソタ大学時間生物学研究所客員助教授として渡米。1987年8月から連続携帯型血圧計を装置し、以来、365日24時間血圧を測定。現在も引き続き連続装着記録更新中。楽しく、わかりやすい指導には定評がある。『ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳 』(アスコム刊)など著書多数。

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