血圧対策の「新定説」として注目度が急上昇…【高血圧】の人が今すぐ意識すべき"ナトカリ比"とは?

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しかし、この24時間蓄尿で計算したナトカリ比も、鍋物が多い冬場と、そうでない夏場では塩分摂取量が異なるため、その値は季節によっても変化します。

ナトカリ比を意識すれば血圧も簡単に下げられる

ナトカリ比とは、尿中ナトリウム量を尿中カリウム量で割った値のことです。これを計算式で表すと次のとおりです。

ナトカリ比=尿中ナトリウム量÷尿中カリウム量

ナトカリ比も厳密には「随時尿によるナトカリ比」と「24時間蓄尿によるナトカリ比」の2種類があります。随時尿は、より一食ごとの食事内容に影響を受けやすくなります。

多少、両者の意味合いは異なりますが、要するにナトカリ比の値が小さいほど健康上のリスクが低く、逆に大きいほど高血圧や生活習慣病を抱えやすくなるということに変わりはありません。

各種の研究から、ナトカリ比が2未満であれば高血圧のリスクを抑えられ、ナトカリ比が4を超えると高血圧や心血管疾患のリスクが増すことがわかっています。

ナトカリ比を下げれば、血圧は下がる。このシンプルな法則が、近年、血圧コントロール法として注目を集めつつあります。

いままでは、「高血圧を防ぐには塩分を減らすのが大事だ」と言われてきましたが、減塩は難しく、血圧コントロールに失敗する人ばかりでした。

しかし、ナトカリ比という考え方を手に入れたことにより、高血圧対策は1歩前へと進化しました。比率である以上、減塩して分子を小さくしなくても、カリウムを多く摂って分母を増やせば、高血圧を改善できるからです。

例えば、ナトリウムを3g摂ったとき、カリウムを0.5gしか摂らなかったらナトカリ比は「6」です。これでは高血圧のリスクにさらされます。ところが、カリウムも同時に3g摂れば、計算式に当てはめるとナトカリ比は「1」。理想的とされるナトカリ比2未満に収まるので、血圧は下がっていくのです。

これまでの高血圧対策は、塩分を減らすだけでした。しかし、この新しいメソッドでは、カリウムを増やすことでもいいという柔軟な発想があります。

次ページ「カリウムの足し算が加わる健康法」
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