生魚売り場の焼き魚、野菜売り場のカットサラダ…スーパーの「生鮮惣菜」が展開する"最強の中食"事情

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代表的な企業の1つ、サミットは2019年から社内で「大総菜プロジェクト」を立ち上げ、生鮮各部門間で連携しながら惣菜の商品力向上を図ってきた。

24年2月にオープンした、ららテラスHARUMI FLAG店(東京都中央区)では、水産・畜産の生鮮惣菜に店内加工のスモーク商品を投入した。水産ではサーモンやサバの燻製を100〜400円台で品揃えし、同価格帯のナチュラルチーズと合わせた陳列が見られた。

「お弁当・お惣菜大賞」

ヤオコーは鮮魚・精肉のおつまみメニューを298円の統一価格で集合陳列した「ヤオコー酒場」を導入。「原信」などを傘下に持つアクシアルリテイリングは、サラダ惣菜とともに「魚菜屋」のブランドで魚惣菜を強化する。

なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる (朝日新書)
『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』(朝日新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

全国スーパーマーケット協会が毎年開催する「お弁当・お惣菜大賞」で、24年に全11部門のうち弁当、麺、サラダの3部門で最優秀賞を獲得したのがマミーマートだ。

弁当部門で最優秀賞を獲得したのは「三陸産茎ワカメと鮭の炊き込みご飯弁当」。旬のものから低コストで使える食材を探し、これまで未利用だった部位を活用した。三陸産の茎ワカメはワカメの製造工程ではじかれていたもの、サケはアトランティックサーモンの血合いを使い、仕入れコストを抑えてフードロス削減にもつなげた。

ロピアからはエジプトの国民食をアレンジした弁当「混ぜて食べるエジプト1番人気コシャリ」が入選した。ご飯、細いパスタ、マカロニといった炭水化物に、ひよこ豆やトマトソースを混ぜて食べるのがコシャリだ。

かつてインドの日本大使公邸で料理長を務めた経験があるというグループ会社の社員が開発を担当し、チキンやマカロニがのったご飯に添付のトマトソースをかけ、スプーンで混ぜながら味わうように仕上げた。

キムチをはじめ韓国食材も品揃えが充実してきた日配売り場(千葉県浦安市のイオン)(画像:『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』より)
白鳥 和生 流通科学大学商学部経営学科教授

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しろとり かずお / Kazuo Shirotori

1967年、長野県生まれ。明治学院大学国際学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。小売、卸、外食、食品メーカー、流通政策などを長く取材し、『日経MJ』『日本経済新聞』のデスクを歴任。その一方で、国學院大學経済学部と日本大学大学院総合社会情報研究科の非常勤講師を担当。日本大学大学院で企業の社会的責任(CSR)を研究し、2020年に博士(総合社会文化)の学位を取得。2024年、流通科学大学商学部経営学科教授に着任。著書に『即! ビジネスで使える 新聞記者式 伝わる文章術』(CEメディアハウス)、『不況に強いビジネスは北海道の「小売」に学べ』『グミがわかればヒットの法則がわかる』(ともにプレジデント社)など。

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