"前向きに老いる"ための工夫が満載…83歳の保健学博士が日々実践する【ボケない暮らし】の秘密
なかでも私が気にしているのは、「いくつものことを同時にこなすのが難しくなってきた」こと。例えば、原稿を書いているうちに、火にかけた鍋のことをすっかり忘れてしまったり、洗濯機が止まっているのに気づかず、何時間も放置してしまったり。
以前なら、頭の片隅でちゃんと覚えていて自然に動けていたのに、今では、目の前のことに集中すると、それ以外のことが抜け落ちてしまうことがあるのです。
「ああ、年をとったなあ」と、がっかりすることもありますが、それはしかたのないことだと割り切るようにしています。年齢を重ねれば、誰だって忘れっぽくなるもの。
落ち込んでいたってしかたがありません。私はいつも「じゃあ、どうすれば安心して暮らせるか」を考えるようにしています。
「ボケない料理」に挑戦してみて
1人暮らしだからこそ、なおさら気を遣っています。例えば、こんな工夫をしています。
●料理をするときはタイマーを使って、火の消し忘れがないようにする
●買い物に行く前には、必要なものをメモして持っていく
●予定が決まったら、すぐにスケジュール帳に書きとめる
●鍵やメガネなど、置き忘れやすいものは置き場所を決めておく
どんな人でも、脳の老化はある程度は避けられません。でも、「年だからしかたがない」と何もしないでいると、脳はどんどん衰えてしまいます。私はそうならないように、日々の生活で、脳によいと思われることを意識して取り入れています。
その1つは、もちろん散歩。そしてもう1つが料理です。
私にとって、料理は脳トレがわりになっています。料理が得意な方は、「料理なんて簡単。頭なんか使わないわよ」と思われるかもしれません。でも実は、完成するまでにかなり頭を使うのです。
冷蔵庫にある食材を見て、「何が作れるか」「どう組み合わせるか」「どんな味付けにするか」を考えるのは、なかなかの頭の運動です。
私はあえて、メニューを先に決めて食材をそろえるのではなく、旬のものやお買い得品を選んで、それらをもとに献立を考えるようにしています。いわば、私なりの「ボケない料理」です。



















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