「テレビは手遅れ」かねてから"テレビに諦観"の松本人志が立ち上げた『ダウンタウン+』に人気芸人が続々出演するワケ

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彼らは過去の自分や世評と向き合いながら活動を続けているが、職を失ったコメディアンも少なくない。この点は、日本のお笑い界とあまり変わらないように思える。異なるのは、松本が独自の配信プラットフォームで復帰を果たした点だ。

もともとアメリカは地上波よりもエッジの効いた「コメディ・セントラル」といったケーブル局のコメディーチャンネルが人気を博しており、2010年代中盤からNetflixへとコメディー番組の主流が移った経緯がある。つまり、シャペルは「好きなことを言わせてもらう」という前提でNetflixと契約しているはずだ。

テレビクオリティーのプラットフォームを立ち上げる

今のところ、日本の配信プラットフォームではそうした例を聞いたことがない。だからこそ、コンビ名を冠したテレビクオリティーのプラットフォームを立ち上げるという世界的にも珍しい動きになったのではないか。

資金調達、制作スタッフや出演者の調整、コンテンツ管理など良質な番組を制作し続けるには、それ相応の制作費と運営力が必要になる。長年テレビで活躍したダウンタウンには、ディレクターや技術スタッフ、作家を含めたコネクションがあり、何より海外進出も視野に入れ始めた大手芸能事務所・吉本興業という心強いバックアップもあった。

こうした恵まれた環境も、『ダウンタウンプラス』には必要不可欠だったことだろう。今年で松本は62歳。生配信で「あと何年やれんのかなぁ」と口にしていた通り、自身のタイムリミットこそが最大の壁になるのかもしれない。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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