「テレビは手遅れ」かねてから"テレビに諦観"の松本人志が立ち上げた『ダウンタウン+』に人気芸人が続々出演するワケ
地上波以外のメディアで復帰した点については、活動休止前、『週刊朝日2021年3月5日号』(朝日新聞出版)のインタビューの中で語っていた松本の言葉が興味深い。
活動休止前から語っていたテレビへの“諦観”
当時の松本は、かねて世代視聴率を重視する方針に疑問を抱き「それでは本当に面白いものを求めてる若い人たちがテレビを見なくなる」と警鐘を鳴らしていたが、ネットの動画配信が勢いを増す中で「もっと前にテレビは気づくべきやったけど、もう手遅れでしょうね。こうやってユーチューブにとられていってるわけですから」と諦観している。
また、自身を「サブカルチャーの人」と言い、「そんな人がなぜずっとテレビでやってこれたんか、不思議なんです。それに対する後ろめたさみたいなものがあって」と続ける。本来の自分は地上波で稼ぐようなタイプではないという思いから、「やりたいことしかやらない(場所)」に戻りたいと感じていたようだ。
最後に、テレビも自分も「あと2年くらいしたら、いろんなことがはっきりしてくるんじゃないですかね」と締めている。松本は、この記事が出てから約3年後に活動を休止し、4年8カ月後に『ダウンタウンプラス』で復帰となった。
松本以外にも、昨今のバラエティー制作の状況を懸念する声は少なくない。
2023年11月配信の『石橋貴明 THE強運マスターズ2023 in韓国』(ABEMA)の中で北野武は「テレビ予算ないだろうもう」とテレビ業界の現状を憂いており、ナイツ・塙宣之も自身のYouTubeチャンネル(25年9月20日投稿動画)の中で「だいたいいつも同じメンバーがきて、芸人の内輪の話ばっかりしてなんかあんま面白くない」とクリエイティブなバラエティーが少ない実情を嘆いている。
幅広い芸人たちが『ダウンタウンプラス』に出演するのは、松本人志という求心力もさることながら、制約に縛られない笑いの場を求めていたところもあったのではないか。



















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