「テレビは手遅れ」かねてから"テレビに諦観"の松本人志が立ち上げた『ダウンタウン+』に人気芸人が続々出演するワケ
他方、コメディアンがスキャンダル、マイノリティーに対する差別的な発言などで批判に晒される現象は世界的なものになっている。
とくに多民族国家のアメリカでは、2010年代中盤以降たびたび「キャンセル」(著名人や団体の行動・発言に対して、SNS上での糾弾や不買運動、ボイコットなどによって社会的に一掃しようとする動き)が巻き起こっている。
“風向ききつい”世界的な流れ
例えば17年11月に複数人の女性にセクハラを行ったと報じられ、その記事内容を概ね認めたルイ・C・Kは、瞬く間に主演映画『I Love You, Daddy』の配給中止が発表され、一時的に表舞台から姿を消した。
翌18年8月、舞台に復帰。これに反対する者たちが抗議行動を起こす公演も見られる中、仲間たちによるサポートのもとで全米ツアーを敢行した。復帰後のスペシャル(特別なスタンダップコメディー公演)をアルバムとしてリリースしたルイ・C・Kは、22年の『グラミー賞』で最優秀コメディー・アルバムを受賞している。
18年に過去のSNS投稿が「同性愛嫌悪」だと炎上し、これをきっかけにテレビ内の発言や別の問題投稿が次々と掘り起こされたケヴィン・ハートは、謝らない選択をし、内定していたアカデミー賞授賞式の司会を辞退。その後、批判の対象となった投稿を削除し、改めてLGBTQコミュニティーに謝罪した。以降も彼は精力的に公演を行っている。
06年に表舞台から忽然と姿を消し、17年にNetflixと番組3本で6000万ドルとも言われる大型契約を結んで復帰したデイヴ・シャペルは、たびたび際どいジョークで批判を受けてきた。21年には番組内でのトランスジェンダーに対する発言を巡り、Netflixが人権団体や活動家、自社の従業員などから反発を浴びている。



















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