人気は野球部をしのぐほど。変わる「高校eスポーツ」の価値――「通信制の生徒に青春」「チームワーク学ぶ」

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そういった経緯を経て、今となっては高校生が打ち込むものの1つとしてeスポーツが定着していきました。

高校でゲームをすることの是非はいまだに問われていますが、実際に大会を行うことで、部活動にふさわしくないという認識が払拭されつつあります。高校生大会のほとんどはチーム戦となっており、ゲームを通じてチームワークを学べる機会になっています。これはフィジカルを使う団体スポーツとなんら変わることはありません。

eスポーツに打ち込む青春

ゲームをやりすぎてしまうことに関しても、多くはしっかりと部活として時間が管理されており、ある私立高校では成績が一定水準を達していないと部活動の参加を認めていないところもあります。

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先ほど言ったように、通信制では同じ学校に通っていても、生徒同士の交流が盛んにあるわけではなく、eスポーツ大会に出ることで友達とのつながりができたといいます。

大会に出た生徒には「通信制に行って、いわゆる青春のようなことはできないと思っていましたが、eスポーツのおかげで青春できました」と答えた人もいました。

中学時代の同級生と同じ高校に行って大会に出るために、猛勉強して高い偏差値の高校に入学できたという生徒もいました。ゲームによって成績が落ちるというのは、そういうケースもあるだけにすぎず、必ずそうなるわけではないのです。

2023年に夏の甲子園で準優勝した仙台育英学園高校にはeスポーツ部があり、部員は129名だそうです。野球部は79名で、eスポーツ部の人数のほうが上回っています。

岡安 学 eスポーツジャーナリスト

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おかやす まなぶ / Manabu Okayasu

ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。イベント取材を始め、法律問題、マーケットなど、多角的な切り口でeスポーツを取り上げる。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆もおこない、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『ゲームビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)、『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)がある。

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