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「人気温泉地はなぜ《源泉枯渇》と誤解されたのか…?」→水位は回復していた?30年かけて守られた"名湯の真実"と湯守り人の静かな闘い

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旅館の経営者も、配湯会社の技術者も、町全体でひとつの湯を守る仲間たち。嬉野の「湯守り人」たちが、温泉文化の根幹を支えている。

「湯守り人」という言葉には、湯を扱う人たちの誇りと緊張感、そして倫理が宿っている。それは、“湧くこと”ではなく“続けること”に価値を見いだす文化だ。嬉野の源泉が守られている理由は、この湯を「自然の贈り物」として受け取るだけではなく「次世代へつなぐ責任」として、責任を背負って受け止めている人たちがいるからにほかならない。

人の営みも含めて「温泉資源」

嬉野温泉街(画像:恵藤)

温泉地で取材を続けていると、温泉に対して「自然の恵み」と軽々しく言えなくなった。湯けむりの向こうに、人間を感じるようになったからだ。

もちろん大地のエネルギーには感謝したいが、そんな大地のエネルギーを「お風呂」という形で気持ちよく浸かれるようにしてくれた方々には、心から感謝と敬意の念を持ち、入浴を楽しみたい。そんな気持ちで入浴するようになってから、より温泉に浸かる行為が豊かになった気がする。

源泉をどう扱い、どうつなぐか。温泉地に根付く知恵や倫理に基づく人の営みも含めて、「温泉資源」と言えるはずだ。

今日も嬉野温泉のお湯は、とろっとろだ。嬉野で湯を守り続ける人々に感謝しながら、私は肩まで、どっぷり浸かる。

【後編に続く】海外客の言葉「源泉かけ流しはもったいない」に衝撃…なぜ私たちは「かけ流し信仰」を抱くのか?人気温泉地で"湯の当たり前"が揺らぐ瞬間

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