横浜家系「壱角家」を営むガーデン、"真逆タイプ"のラーメン店をM&Aした訳は? 社長に聞いてわかった"秀逸な戦略"

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1号店の成功をきっかけに、両社は協業体制を築く。ガーデンが物件と資本を、ギフトが味と仕組みを担った。

川島氏は「ギフトさんの手法を学びつつ、自社でどこまで効率化できるかを追求した」と振り返る。やがて「壱角家」は100店舗規模へと拡大。都心部の一等地を次々に押さえ、同業他社が参入しにくい市場構造を作り上げた。

一等地を「安く押さえる」川島社長の戦略

実は、ガーデンの強さの源泉は、ラーメンだけではなく「不動産」にある。川島氏はカラオケ事業時代から「立地こそが勝敗を決める」と考え、不動産子会社を設立して自社で好立地を確保してきた。

「一等地を“高い家賃で借りる”ことは誰でもできます。でも、うちは一等地を“安く押さえる”んです」

物件を自社保有・長期リース化し、複数ブランドを同ビルに集約することで賃料負担を分散。その結果、「壱角家」は営業利益率22%(高い店舗では40%近く)という驚異的な数字を叩き出す。

背景には、店舗間の距離を近く保つドミナント戦略もある。スタッフや食材の融通が利き、無駄を極限まで削減できるのだ。

「僕らの社員は皆、1都3県の出身。土地勘があるから、絶対に外さない。だからこそ、地の利を活かした商売ができるんです」

厨房
「壱角家」の店舗は一等地にありながら、効率的なオペレーションで「速くてウマくてお手頃」な商品を提供している(筆者撮影)
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