「天井を這う子ども」「血染めの手跡」…体験型イベントでホラー好き漫画家が"今後一生できそうにない"墓石を持ち上げながら考えたこと

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行ったのが休日だったこともあり、ソラマチは混んでいました。イベント会場の入り口にも人は少し並んでいましたが、ほぼ待たずに入場することができました。入場料金は2400円、ちょっと高い気もするけど、場所代を考えると仕方ないのかな。

お化け屋敷のように暗く、「いかにも怖い演出」を施してあるかと思っていたけど、中はそれほど暗くなく、小さい子を連れた家族の姿も見られました。

入り口付近には作り物の墓石が展示してあり、「墓石を持って写真を撮る」という今後一生できそうにない体験ができました。重くないのに重そうに見えるように、ちゃんと作ってあります。

持てる「墓石」とくらたま(写真:筆者提供)

一番の恐怖は大量のゴキブリが…

中には、ほかにいくつも「ホラー映画に出てくるセット」が設置されていました。和服のお化けとか、天井を這う子どもとか。ガラス窓についた血染めの手跡とか。障子に浮かぶ霊の影とか。

「怖いか?」というと、怖くはありませんでした。一番恐怖を感じたのは「大量のゴキブリが湧き出るプロジェクションマッピング」でしょうか。

ほかすべて「知恵を絞って作ってあるな」という感想でした。

そして同時に、CGどころかAIがすっかり台頭して、映画ではこの手の「大道具」は作られなくなっていくこの時代、消えゆく遺物としての存在意義を考えさせられました。

AIには身体がありません。どんなに本物っぽくても、絶対に触れることはできません。「触れることができる創作物」って、たとえAIの創作物よりリアルさは劣っていても、存在感は圧倒的です。だって、実際に存在しているんですから。

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