「この家を出なければ殺してしまう」酒と男に依存する母、娘から"搾取"続ける父に絶縁後まで苦しめられ…毒親育ちの作家が語る「壮絶すぎる半生」

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母の葬儀では一滴の涙も出なかった。火葬場では「焼き上がりはいつですか?」と職員に聞き、親戚にたしなめられた。

本当は母を愛したかったし、母の愛に飢えていた。しかしどうあがいても無理で、母のことが嫌いだった。

「母が死んでホッとしました」

それが本心だった。

「男は強くあるべき」古い考えに固執していた父

父は69歳で亡くなった。飛び降り自殺だった。父の昔の部下から連絡をもらったとき、やはりホッとしている自分に気づいたという。

父は「男は強くあるべき」という考えで、困っても他人に弱音を吐けず、助けを求められなかった。「男は稼いでナンボ」という考えも根深く、自分が会社経営に失敗したことも認められなかった。周りと比べて落ちぶれてしまった自分を惨めに感じて、耐えられなくなったのだろう。

父の部屋はゴミ屋敷で「世話をしてくれる女性がいないとダメなおじいさんでした」とアルテイシアさん。

「父の遺した埃だらけのアルバムを開いてみると、父の子どもの頃の写真があって。普通のかわいい男の子なんですよね。こんな“毒々モンスター”みたいな人にも、少年時代や青年時代があったんだなと。本人もまさかこんな死に方をするとは思っていなかっただろうし、ひとりの人間として、父のことがかわいそうになりました」

「一応、アルバムにぱらりと塩を振って燃えるゴミに出しました(笑)」と、冗談を交えて当時を振り返る。

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