「データセンターが水を奪う⁉」 AIインフラ爆増の裏側でグーグルが隠蔽した"水使用量"
しかしながら建設数が増えれば、インフラ資源への圧力も高まります。2024年、フィナンシャル・タイムズ紙は、バージニア州のデータセンター集積地での水使用量が「2019年から2023年にかけて63%増加した」と報じました。水消費量は700万立方メートルに達しており、数万人規模の都市の年間生活用水に匹敵します。
この増加は、AIの需要拡大によってデータセンターの数が大幅に増えたことと関連しています。ラウドン郡内のデータセンター用地は2019年以降で2倍以上に拡大し、さらに多くの施設が建設中です。
水と電力の供給がデータセンター誘致の条件である一方、それらの資源は決して無限ではありません。テクノロジーの発展が、地域の資源インフラと密接に結びついていることを忘れてはならないでしょう。
データセンターの水と水道局の懸念
水とテクノロジーの密接な関係が明らかになるにつれ、地域住民や行政との摩擦も生じはじめています。水は、地域に住む人々の生活や農業、産業に欠かせない資源です。一部の利用者が大量に使えば、その分だけ他の利用者への供給が圧迫されます。とくに、生活用水をめぐる懸念は無視できない課題となっています。
米ニューメキシコ州アルバカーキにあるメタのデータセンターは、年間約5万立方メートルの水を使用する権利を持っています。これは、一定規模の町の年間生活用水に相当する量です。水資源が乏しい乾燥地帯でこれほどの水を消費することに、地域では懸念の声が上がっています。
また、マイクロソフトが米アイオワ州に構えるデータセンターでは、夏場に冷却のため多くの水を使用します。この水は、住民が普段使っている水道水と同じ水源から供給されており、地元の水道局は水不足への不安を抱いています。
このような事例は、今後さらに増えていくと見られています。データセンターは今後も世界各地に建設される見通しですが、その際、安定的かつ十分な水資源へのアクセスが重要な要件となります。つまり、水がテクノロジーの発展を左右する「インフラのインフラ」となっているのです。



















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