自らアイデアを持ち込み、複数の選択肢を提示する韓国スタッフの仕事スタイルを目の当たりにし、監督は「方向性さえ共有しておけば、私の方であとはいくつもの案の中から選ぶだけ。すごく快適でした」と振り返っていました。その手法によって、演出そのものに集中でき、日本チームの繊細な演技指導とも自然に融合して、完成度が上がっていったのかもしれません。
理想から出発する韓国式の発想と、現実を丁寧に積み上げる日本式の手仕事。その両方が混ざり合い、あらゆるシーンでそれが光や質感にも表れています。月川監督は「この経験は日本の制作文化を見直すきっかけになった」とも語り、静かに手応えを口にしていました。
“贅沢なチョコレート”のようなドラマ
この作品で大切にしていたのは、懐かしさと新しさの同居でした。
かつてのトレンディドラマを思わせるような王道のロマンスでありながら、その中に、現代の人間関係や心の距離の描き方をそっと織り込んでいるというもの。伝統に則りながらも新しいものを作りたいという思いは、主人公たちの姿とも重なります。
強烈な刺激を与える作品ではなく、時間をかけて味わうほどに深みが増す、贅沢なチョコレートのようなドラマなのです。
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