「Photoshop=難しい」は過去。今や、やりたいことを"文字に書く"だけに。非クリエイター向けAdobe Expressもテンプレートが充実
たとえば、Photoshopであれば、風景写真の上のレイヤーに人物写真を置けば「背景を削除」という機能が表示される。これは、人物の背景を消して風景写真の上に表示されることが多いからだ。従来であれば、どの部分を削除したらいいのか、いちいちクリックして「パス」という境界線を作り、写真を切り抜いて背景を切り分けていた。
ほんの2~3年ほど前の話だ。背景と複雑に絡み合った写真(たとえば、髪の毛や、自転車のスポークなど)だと、1枚の写真を切り抜くのにプロのデザイナーが数時間かかっていた。
それが、今ではこのコンテキストタスクバーの「背景を削除」をワンクリックするだけで切り抜くことができる。これは生成AIが、対象と背景の境界を認識して切り分けてくれるのだ。
続いてコンテキストタスクバーに表示される「調和」というボタンを押すと、背景と人物がしっくりと馴染む。たとえば、背景が室内で白熱灯の黄味がかった光に照らされていたら、人物も同じ方向から同じような黄味がかった光に照らされているように加工される。これも昔なら、プロが何時間もかけた作業だが、今ではワンクリックで終わる。
これはクリエイターの作業を奪う機能ではない。作業が効率的になった分、プロは完成度を上げる作業に時間を使うことができる。もしかしたら、より多くの仕事をこなして収入を増やすことができるかもしれない。
生成AIは仕事を奪うと言われているが、少なくともクリエイターに支えられているアドビにおいては、生成AIはクリエイターをサポートするために使われているのだ。
LightroomもPremiereもAIが賢く支える時代へ
ウェブアプリの「Firefly」(生成AIエンジン自体もFireflyと呼ばれるのでややこしいが)は、アドビの生成AIのデモンストレーションアプリのような立ち位置だが、このFireflyにおいてはさらに実験的な生成AIの利用が行われており、よりテキスト(プロンプト)ベースの操作が行える。


















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