【採点表つき】トランプ米大統領が天皇陛下との会見で見せた"敬意"と"マナー違反" 専門家が「やめてほしかった」と語る行為は…
ただ、白羽氏が「あれはやめていただきたかった」と指摘するのが、会見を終えたトランプ大統領が天皇陛下とともに再び玄関前に姿を現した際の一幕だ。
待ち受ける報道陣に対し、トランプ大統領は陛下のことを指さして“Great man(立派な人)”と二度繰り返した。
「陛下は笑っていらっしゃいましたが、“His Majesty the Emperor”ではなく“Man”という呼称は不適切ですし、欧米社会における親愛表現としての指さしは儀礼の場では許容されません。
個人的に、トランプ大統領には19年の来日時よりもさらに洗練された振る舞いを期待していて『今回はお辞儀をするのでは』とさえ思っていたので、ちょっと残念でした」
他国訪問時と比べると、ずっと謙虚で丁寧
今回のトランプ大統領の皇室儀礼について、白羽氏が採点した表が以下の図だ。
「儀礼の自制と適応度」は30点中28点、「非言語的敬意(ボディーランゲージ)」は30点中27点と高評価だが、「重大な儀礼的逸脱の有無」については40点中5点と失点が大きく、合計では100点満点中60点となった。
点数としては辛口評価となったが、「他国訪問時の様子と比べると、ずっと謙虚で丁寧な印象だった」と白羽氏は話す。
18年に英国を訪問したトランプ大統領は、当時のエリザベス女王の前を歩くなどマナー違反を繰り返し、英国民から激しくバッシングされた。
「今回のトランプ大統領の振る舞いには、歴史と文化を大切にしてきた日本への好意や、権威ある皇室への敬意があふれていたように感じます。
プロトコール上の失敗も、6年半ぶりに天皇陛下と対面したことによる気持ちの高ぶりが背景にあると考えると、人間味あふれる温かな会見でした。
それは、陛下ご自身が非常に寛容で、戸惑うことなくアメリカ文化を尊重されたからこその結果だと思います」
自由奔放に見えて、実は計算ずくの行動や言動も多いとされるトランプ大統領。だが今回の天皇陛下との会見では、打算を排した敬意や親愛の情が垣間見えた気がした。
(AERA編集部・大谷百合絵)
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