就職人気ランキングに「うんざり」  人事担当者71名が明かす、人気の"賞味期限"が短い理由

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一方、多くの人事担当者が、最近の学生の就活の取り組み姿勢が改善していることを高く評価していました。

「日鉄ソリューション(文系26位)とか国分グループ(文系28位)とか、なかなか渋い会社が上位に入っていて、学生の視野の広がりや探求心の深さを感じます。お恥ずかしながら私は会社に入ってからは同業他社しか見てこなかったので、学生の姿勢を見習わなくてはいけません」(エネルギー)

「女子学生の場合、以前は資生堂など化粧品会社が人気でしたが、女性ランキングの100位以内にかろうじてコーセー(95位)があるだけ。昔と違っていまの女子学生は、イメージだけにとらわれず、しっかり企業のことを調べて、自分のキャリアについて深く考えているんでしょうね」(サービス)

「バラエティーに富んだ会社がランクされていて、最近の学生は実によく会社研究をしているなと思います。自分自身の就活を思い起こすと、就職氷河期だったのにあまり熱心に活動しませんでした。最近は完全な売り手市場なのに、就職先や入社後のキャリアについて真剣に考えていることには、頭が下がります」(建設)

安定志向はあまり変わっていない?

学生の姿勢でよく指摘されるが、寄らば大樹という「安定志向」。この点について、「ランキングからはわからない」(小売り・IT)という意見が多かった一方、「あまり変わっていないのでは」という見解がありました。

「わが社で若手社員がコンサルティング会社に転職するケースが相次いだので、もっとコンサルティング会社が上位にきているかと思いましたが、そうでもありませんね。学生の安定志向は依然として強く、外資系やコンサルティング会社で勝負しよう学生は限られるのでしょう」(保険)

とかく学生の会社選びは、「世間知らずで視野が狭い」「有名企業だけに注目し、安直だ」と批判されがちです。しかし、今回の調査の範囲では、多くの人事担当者が学生の姿勢を好意的に受け止めていました。

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