新規事業のヒアリングで、とてもよく見かける「事前の顧客ヒアリングでは、みんな買うと言っていたのに、実際にリリースしたらまったく売れなかった」という事故があります。
調査が甘かったわけではなく、むしろ「しっかりと、たくさんの人たちに、深くインタビューした結果」として「これは売れる」と判断し、販売を開始するわけですが、売れないのです。
なぜ、事前のヒアリング結果と異なる結末が、販売開始後に訪れるのか。
それは、事前のヒアリング時に、ヒアリング相手が「ウソを言った」からなわけです。本当は買わないのに「リリースされたら買う」と、だましてくるのです。
「好かれたい」気持ちがヒアリング結果をねじまげる
だから、判断を間違えてしまうのですが、なぜ彼らはそんなひどいウソをつくのでしょうか。理由は、そう、「好かれたいから」なのです。
「協力してあげたい」「何かいいことを言ってあげたい」という気持ちがあるので、前提として「好意的に解釈して反応をしてしまう」のです。
【2】に輪をかけてヒアリング結果をねじまげてしまう構造が、新規事業のヒアリングでは「商品を見せてプレゼンできない」ことです。
まだ出来上がっていないもののヒアリングだから、常に、ヒアリングで評価してもらえる対象は、商品やサービス自体ではなく「プレゼン」になってしまうのです。
商品ではなく商品のことを説明する資料やトークのみがヒアリング相手にとって評価する対象となります。本来は、その資料やトークをフラットに厳しい目で見て意味ある反応をしてほしいのですが、それはとても難しいのです。
新規事業の実践者たちは、よっぽど気をつけない限り、いつだって自分たちの新規事業案の説明には力がこもりがちになります。
「自分たちは世の中をよくするためにこんな新規事業を考えていて」と熱くプレゼンしてしまうのですが、前提として協力姿勢にあり「好かれたい」と思ってくれている相手に対してそれをやってしまうと、ウソをつかれてしまうのです。
本当は買うわけじゃないのに、気持ちがほだされて「素晴らしいですね、販売されたら買うと思います」という言葉が引き出されてしまうのです。
以上が、顧客ヒアリングの不都合な真実です。それでは、どうすればいいのでしょうか。
構造的にウソをついてくる相手に対して、どうやってのぞめば正しく意味ある回答を得ることができるのでしょうか。
→「顧客はウソをつく」「何を聞けばいい?」ビジネス現場で超重要な「深いヒアリングスキル」
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