「顧客のところに300回行け」がビジネスに必須の深い訳【専門家が解説】

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新規事業の経営論
新規事業開発において「顧客のところに300回行く」ことが最も重要な考え方です(写真:ふじよ/PIXTA)
「サラリーマンに新規事業なんてできるわけがない」。かつてよく囁かれた意見は、いまではすっかり影を潜め、多くの企業から「新規事業」が続々と生まれている
ただ、新規事業は生まれるものの「大きなビジネスにならない」「人は育つが、育った人ほど辞めてしまう」など「次なる課題」に直面している企業は少なくない。
これまでに230以上の日本を代表する企業の新規事業を支援し、累計2万3000を超えるプロジェクトの創出に関わってきた「新規事業のプロ」である麻生要一氏が、この度、6年ぶりの新著新規事業の経営論を上梓した。
「1→100に必要な全仕組み」をはじめ、新規事業のすべてを書いた決定版である同書は、発売前に増刷が決まるなど、早くも話題を呼んでいる。
その麻生氏が、「新規事業で最も大切なこと」について解説する。

「顧客のところに300回行け」は普及したが…

「顧客のところに300回行け」は、新規事業開発における最も根本的な考え方であり、前作『新規事業の実践論』を代表する教えです。

『新規事業の経営論: 100億円超の事業をつくる18のシステム』
『新規事業の経営論: 100億円超の事業をつくる18のシステム』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

既存事業であったら重要とされる9つの単語「確認」「事例」「調査」「会議」「資料」「社内」「上司」「先輩」「競合」をいっさい排除する。それによって紡ぎ出された可処分時間と隙間時間をすべて、顧客のところに行くことに使う。仮説と顧客のサイクルをただひたすら回すことにのみ集中する。

すると、その行動が300回転を迎えるころに、それまでに積み上げたすべての情報の点と点が1本の線でつながり、新規事業案が出現し、立ち上がっていく。

それほどまでに「顧客」に集中することでしか新規事業は立ち上がらないことを、前作では解説しました。

改めて「顧客のところに300回行く」ことが最も重要な考え方であると示したうえで、本記事では「その深い本質」を解説します。

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