急増する「大人の発達障害」のリアル 「適職」を見つけることの重要性

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「その場合は『発達障害者支援センター』に相談してみるといいでしょう。医療機関ではありませんが職業相談をすることもできます。しかし、“障害”という言葉がつく場所に足を踏み入れづらいと思う人もいるでしょうから、まずは厚生労働省が認定した若者支援の実績やノウハウのあるNPO法人、株式会社などが実施している『若者サポートセンター』に相談してみてはどうでしょう。カウンセラーと一緒にこれまでのキャリアを棚卸していくことは、働きづらさをなくすヒントになります。カウンセラーといろいろ話をして、もし発達障害の傾向があるなら、専門機関を紹介してもらうこともできます」

働きづらさの感じ方は人それぞれだ。どんな風に感じたら相談するべきなのか。松為氏は、ボーダーラインは、“うつ状態”だと語る。「もちろんうつ状態でなくとも働きづらさを少しでも感じているならば相談に行ったほうがいいと思います。しかし、うつ状態になっているなら赤信号です。すぐに専門家に相談して何らかの支援を受けたほうがいい。」

松為氏は、“自立”を「自分の役割を知り、全うすること」だと定義する。そのために援助を受けることに躊躇する必要はないのだという。

法改正で、障害者雇用は増える

岩本さんは、医師の診断後、障害者認定を受けた。現在の会社も障害者枠での採用だ。転職で応募する際には、健常者と同じ枠で転職活動することも可能だが、松為氏は、もし障害を持っているようなら、障害者認定を受けることも視野に入れるべきだと語る。

「障害者認定を受けることで、企業の障害者採用枠に応募することができます。障害者雇用促進法の改正により、平成30年より40人台以上の企業は障害者を雇用する義務が生じます。現在でも障害者採用枠の人材不足に悩んでいる企業が多いのが現状です。」(松為氏)

現在は障害者の昇進や昇給を重視していない企業も多い。しかし障害者雇用数が増えれば、企業側はそれも考慮していかねばならないだろうと、松為氏は語る。

岩本さんも「障害者手帳を持っていることを前向きにとらえればいい」と話す。「私も妻子を抱えていますから、待遇に関してはいろいろ考えました。でも働きづらさを抱えたまま自分に合っていない仕事をしていても、苦しいだけで長くは続きません。まずは自分の適職に就くことが大事。そのために障害者枠を利用し、そこで実績を出せれば、次は一般枠で転職するという道もありえるのですから。」

必要なときは援助を受ける。自分の役割を見つけスキルを磨くことができれば、それが社会への恩返しになる。それが生きがいにもつながるのだ。

(文:高嶋ちほ子)

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