定義の仕方は人それぞれ…それでも84.6%の人が「続けたい」という【人事の仕事】の"深い魅力"
もちろんすべての経営者が、ということではありませんが、多くの経営者は人を駒や部品のようには考えてはいませんでした。
「業績にしか関心がない」と言われていた経営者とお話しすると、「投資ができなければ現状維持しかできない。業績を上げることが、もっとも顧客のためにも社員のためにもなる」「人は仕事の成果を上げることで喜びを感じる、だから業績を上げることが1人ひとりの働く喜びにつながるんだ」と強い信念を持って業績を上げることに振り切ってメッセージを出していました。
経営者も人事も「願っていること」は同じ
しかし、社員に報いたいと思いながらも、余計なお金は使えない、というのも真実です。
社員が「住宅補助を家賃全額出してほしい」「給与を上げてほしい」と言ってきたからといって、そのまま期待に応えることで人件費が増大し、結果として事業を短期でたたむことになってしまったら誰も幸せになりません。
社員が安心して働ける、やりがいを持てる、ここで働く意味を感じるといった状態を作るために必要なお金はかけていきたい。でも、不要なお金はかけすぎず事業投資をしていきたい。
そのギリギリのところで常に判断・決断をし続けているのが経営者です。社員からすると「業績のことしか言わない」と感じられる一方で、経営者としては「緊急事態にも業績に危機感を持ってくれない社員」を見るのは孤独感が強くなる瞬間でもあります。
そういった場面では、さらに強く「業績に集中する」というメッセージが打ち出されるのは自然なことです。
人と業績の間でギリギリの判断を続けている経営者からすると、安易に人を優先する人事は無責任だ、浅い、簡単な選択をしている、というように見えることも少なくありません。
「1on1をやりましょう! 心理的安全性を高めましょう! エンゲージメントも高めます! 年間で全社員で1万時間ほど使うことになります!」といった提案があった際に、経営者であれば「それをやって業績はどうなるの?」と疑問を呈したくなるでしょう。
そして、その反応を見た人事から「うちの社長は1on1に否定的なんです」「CFOからエンゲージメント向上の業績インパクトを出せと言われました。そんなの無理ですよね」と不満につながってしまうこともあります。



















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