「前々から胡散臭いと思ってた」の声も…退職代行サービス「モームリ」が家宅捜索も、「退職代行」は"今後も廃らない"理由
「声を聞く限りでは、ひどくショックのようです。(退職代行に依頼した社員は)辞める意思をなぜ、直属上司に伝えないのか。双方の関係は日頃からどうなっていたのか、と嘆くケースが目立ちます」
大半は、退職の意思をその時点で受け入れるようだ。急なことに代替要員が見つからず、会社は混乱したり、急いで採用試験を行ったりする。
「本人と会社との間の信頼関係がなくなっていると思える以上、退職代行の会社からの連絡であろうとやむをえないと判断するケースが多いです。本来は上司に意思を伝え、就業規則に従い、引継ぎをしたうえで辞めるのが好ましい」
部下に意見や考えを言わせない空気
そのようなクライアント企業は、大企業やグループ会社、中堅や中小、ベンチャー、外資系など広範囲におよぶ。多いのは営業職や販売職など人手不足が顕著な職種ではあるが、大津氏は規模や職種よりも「退職代行会社に依頼した社員と上司との関係」に目を向ける。
「財務や人事労務が優良と見られる企業でも起きています。上司との関係もしくは配属部署や職場のあり方に何らかの問題があったと見るのが実態に近いのかもしれません。これらが良好ならば、一定の賃金を払ってまで退職代行会社に依頼はしないはずだからです」
大津氏が上司との関係で指摘した中で、筆者が最重要と思えたのは「上司が部下に意見や考えを言わせない空気をふだんから漂わせている可能性」だ。
たとえば、仕事の相談をしてもすぐには応じない。改善案を提案しようとも丁寧には検討しない。回答をすることもない。部下からすると近寄りがたい雰囲気を感じ、退職するか否かの相談ができない。仕方なく、代行会社に依頼する。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら