台湾TSMCが予想売上高を強気の上方修正。10~12月期は35%増収見込む、対中輸出規制でも「AI向け大きく成長」

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オープンAIがこの1カ月に契約を結んだAIチップの調達規模は数百万個分に相当する。オープンAIの投資資金調達を懸念する声もあるとはいえ、その一部がTSMCに生産委託されれば、増収に大きく寄与することになる。

足元の業績好調、スマホ向け復調

足元の業績も好調だ。この日発表した7~9月期の売上高は前年同期比30.3%増の9899億2000万台湾ドル(約4兆8700億円)、純利益は同39.1%増の4523億台湾ドルを計上した。米ドル換算の売上高は331億ドルで、事前予測の318億〜330億ドルを上回った。

高微細度の半導体生産では世界の最先端を走るTSMC。AI半導体の需要拡大は同社への生産委託増に直結する(TSMCの生産ライン。同社提供)

内訳をみると、AI半導体を含むHPC(高性能コンピューティング)事業の売上は前期比横ばい、全売上高に占める比率は57%と、4~6月期より3ポイント低下したが、スマートフォン向けの売上高は同19%増加し、全売上高に占める比率は3ポイント上昇した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

設備投資も拡大している。7~9月期の資本支出は2874億5000万台湾ドルで、前年同期の2070億8000万台湾ドルから大幅に増やした。ただこれまでのピークである24年10~12月期の3619億5000万台湾ドルには及ばなかった。

7~9月期決算発表直後の10月16日、ニューヨーク株式市場でのTSMCの株価は前日比1.60%下落し、1ADR(米国預託証券)あたり299.84ドルで取引を終えた。

(財新記者:劉沛林)
中国語原文の配信は10月17日

※本記事は原文を要約し、日本の読者向けに適宜補足したものです。
財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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