累計8億本!キリンビールの糖質ゼロがバカ売れのワケ 発売から5年も成長維持。健康志向の高まり見据えた次なる戦略とは

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「お客様から寄せられる声からは、体感によって商品『理解』を超えた『共感』を得られていることがうかがえます。 キリンという企業そのものを身近に感じていただけるきっかけにもなっており、 お客様とのリアルな接点がブランド価値向上につながっていると確信しています。 また、見学後に寄せられる感想や質問は、製品改善の貴重なヒントにもなります」(キリンホールディングス コーポレートコミュニケーション部 石井綾子さん)

工場見学の萌えポイント

筆者自身、これまで9工場すべてをたびたび見学してきたが、それぞれに個性と物語がある。ここで少しだけ、それぞれの萌えポイントを簡単に語らせてほしい。

北海道工場は、仕込みタンクの底部まで外観を見られる工場だ。通常は上部しか見ることができないため、タンク全体の大きさや仕込みのスケール感を目で実感できる。

仙台工場は、震災からの復興を象徴する場として、地域とともに歩んできた歴史を感じさせる。缶の巻き締め機の実演も行われ、かつてはその缶を貯金箱として来場者1名にプレゼントするユニークな演出もあった。

キリンビール仙台工場(写真:筆者撮影)
キリンビール仙台工場(写真:筆者撮影)

取手工場は、緑瓶のハートランドビールがラインを流れていく光景も記憶に残っている。現在は残念ながら、パッケージラインの見学は行われていないものの、大きなスクリーンで臨場感のある映像が用意されている。

横浜工場では、キリンビール発祥の地として来春に操業100周年を迎える。併設の「ノミモノ・ラボ」では、飲料づくりを科学的に学べる体験が人気だ。仕込みタンクに投影されるプロジェクションマッピングは思わず感動。

名古屋工場は、筆者にとって最も訪れる機会の多い工場だ。地元に近く、帰省のたびに立ち寄ることも多い。入り口では名古屋らしく金のシャチホコが出迎え、記念撮影を楽しむ来場者の姿が絶えない。

キリンビールの工場見学といえばこのトリックアート(写真:筆者撮影)
キリンビールの工場見学といえばこのトリックアート(写真:筆者撮影)

滋賀工場では「午後の紅茶」ツアーも併設され、同日に2つの見学ツアーを楽しむこともできる。

キリンビール滋賀工場(写真:筆者撮影)
キリンビール滋賀工場(写真:筆者撮影)

神戸工場では、訪問当時、国内最速クラスの充填機の迫力に圧倒されたし、岡山工場はスタッフによるタイルアートや芝生アートに癒やされた。

そして、最大規模の敷地を誇る福岡工場ではキリンビールの工場見学の中で唯一、ヒートポンプ*2の設備を見ることができる。
*2気体を圧縮・膨張する操作によって熱を移動させて加熱するシステム

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