「手術ムリ」から復活した愛犬。生死を分けたのは奇跡ではなく"飼い主の適切な判断"だった――獣医師の誤診から大切なペットを守る術

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

診断や治療方針に少しでも疑問や不安を感じたら、飼い主には「セカンドオピニオン」を求める権利があります。これは、大切なペットのために飼い主が主体的に情報を集め、最善の選択をするための極めて重要なプロセスです。

一方で、「かかりつけの先生に失礼ではないか」「関係が悪化したらどうしよう」とためらう飼い主も少なくありません。筆者もかつて同じ思いを抱いていました。主治医を信じたい気持ちと、目の前の小さな命への不安。その間で揺れ動いた経験があります。

しかし、その考えは改めるべきです。セカンドオピニオンは主治医の診断を疑う行動ではなく、別の専門家の意見を聞いて、理解を深める前向きな行動です。AVMAの倫理綱領でも、飼い主が別の獣医師への紹介や相談を求めることを尊重し、獣医師はそれに応じるべきだとしています。

セカンドオピニオンは単に獣医師を変える転院とは異なり、これまで見えていなかった治療の可能性が広がることもあります。また、主治医と同じ見解を得ることで、今後の治療方針に対する確信が深まる場合もあります。

いずれにしても、大切な家族の健康に関わる重要な判断を下すうえで、多角的な情報を得ることは、飼い主として望ましい行動です。

セカンドオピニオンの進め方

では、セカンドオピニオンを有効に活用するためには、どんな手順と準備が必要でしょうか。

■セカンドオピニオンを検討すべき状況

腫瘍などの重い病名を告げられた、高額な費用やリスクの高い手術を勧められた、治療を続けているのに症状が改善しない、診断や治療方針の説明に納得できない。そんなときは検討します。

■主治医への伝え方

「先生のご意見を深く理解したうえで、ほかの専門の先生の話も伺い、今後の治療に万全を期したいと考えています」というように、敬意を払い、前向きな姿勢で相談することが重要。多くの獣医師はペットのために熱心な飼い主の行動を理解し、協力してくれるはずです。

■「医療情報ファイル」の準備

セカンドオピニオンで正確な判断を下すためには、これまでの医療情報が不可欠です。主治医に依頼し、診療情報提供書(紹介状)や血液検査、レントゲン・超音波検査などの画像データ、病理検査の結果などを準備しましょう。これらの情報があれば不要な再検査を避けられ、ペットの負担と費用を軽減できます。

次ページセカンドオピニオンの選び方
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事