「もしもタワマンから落ちたら……」。頻発する子どもの転落事故《「設計の限界」と「親の限界」》それでも注意し続けるしかない現実

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窓のチェックリスト
窓のチェックリスト(画像:消費者庁『「子どもの転落事故」防止のためのチェックリスト』より)
ベランダのチェックリスト
ベランダのチェックリスト(画像:消費者庁『「子どもの転落事故」防止のためのチェックリスト』より)

事故防止策は長年言われ続けているが…

しかし、すでにこうした対策は子育てをしていれば、さまざまなところで繰り返し言われており、食傷気味の方も多いだろう。しかし、事故は隙を突いて起きる。恥ずかしながら筆者もヒヤリとしたことがある。

我が子が3歳の頃、その日は祖父母が遊びに来る予定であった。いつもマンション下にある来客者用駐車場に祖父母が車を停めるため、それを待ちわびた息子は自分で押し入れから脚立を出し、ベランダ柵そばまで運び、脚立に乗って駐車場をのぞきこもうとしていた。

幸い筆者が脚立に乗ろうとする時に気づき、止めることができた。アルミ製の軽い脚立であったが3歳児が持ち運ぶとは思っていなかった。

また、友人は家族でプラネタリウムに行った日の夜、星に興味がわいた6歳の子どもが、気づいた時には星をもっと近くで見たいとベランダの手すりによじ登っていたという。

「ちゃんと高所の危険を分かっていると思っていたのに……」と友人は言った。子どもの興味関心の対象が増えるのは嬉しいことだが、日々成長し、できることが増えるのに伴い保護者の想定外の行動をすると肝に銘じておかねばならない。

自分の家庭では起きないだろうと考えている保護者も多いと思うが、今一度子どもの成長具合を踏まえて、家庭内の点検をしていただきたい。

【画像】子どもの転落防止策やチェックリストなどを画像で確認(7枚)
チェックリスト
消費者安全調査委員会が子どもの転落事故(134件)を調査した結果(画像:消費者庁『「子どもの転落事故」防止のためのチェックリスト』より)
チェックリスト
消費者安全調査委員会が子どもの転落事故(134件)を調査した結果(画像:消費者庁『「子どもの転落事故」防止のためのチェックリスト』より)
岡 真裕美 大阪大学大学院人間科学研究科安全行動学研究分野 特任研究員

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おか・まゆみ / MAYUMI OKA

子ども安全講師、大阪大学大学院人間学研究科特任研究員、大阪総合保育大学非常勤講師。

2002年 奈良女子大学文学部卒業後、電機メーカーに入社。結婚、出産後転職し、2人の子どもを育てながら中学高校の国語科教員として勤務していた2012年、夫が川で溺れている見ず知らずの子どもたちの救助にあたり亡くなる。

このことをきっかけに事故予防や安全意識啓発にあたる専門家の道を志し、事故の翌年、大阪大学大学院へ進学。子どもの事故予防で修士課程を修了後、啓発と情報発信を精力的に展開している。

各地で子どもの事故予防に関する研修・講演に登壇、テレビやラジオで水難や子どもの事故のニュース解説者として出演。朝日放送テレビ「おはよう朝日です」火曜日コメンテーター。

著書に『事故・ケガで我が子を死なせないために 子どもを全力で守る本』(いそっぷ社)。

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