夕方のイライラ、焦燥感、すべて血糖の乱れが原因? 体のメカニズムを知れば、感情のコントロールはもっと楽になる

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たとえば、プレゼン直前に甘い菓子パンとコーヒーをとってしまうと、開始直後は血糖値が上がって頭が冴えますが、20〜30分後には血糖は急激に落ち込ます。脳へのエネルギー補給が不足し、頭が回らなくなるうえ、アドレナリンのスイッチが入り緊張してしまうことがあります。これではせっかくの準備も台無しになってしまいます。

ここでも起こっていることは「血糖値の乱高下」です。逆に、血糖を安定させれば、同じ実力であったとしても仕事の成功率が高まるといえます。

ビジネスは常に実力を出せる状態をキープできた人の勝ちです。「血糖を制する者がビジネスを制する」といっても過言ではないと私は考えています。

血糖値の乱れがいかに私たちの体に悪影響を与えるか、おわかりいただけたでしょうか。

血糖値を安定させて、仕事も人間関係も良好に

メンタルを安定させて仕事で成果を出すためには「血糖値を安定させること」が最も手っ取り早い方法です。血糖値が安定していれば人間関係にも好影響となります。

私が患者さんからよく聞くのは「午前中は集中できていたのに、午後になるとパフォーマンスが落ちる」という話です。「午後になるとやたらとイライラして、上司や同僚の言葉に過敏に反応してしまう」という人も少なくありません。

午後に集中力が切れてしまうと、多くの人は「根性が足りない」と自分を責めがちです。しかしこれは努力や根性の問題ではなく、血糖の乱れによる問題なのです。

ではどうしたら血糖値をコントロールできるのでしょうか。血糖値コントロールの方法にはさまざまありますが、まずは手っ取り早く実行できる方法として以下の3つをご紹介しましょう。

・朝食を抜かない
・夕方の会議前におにぎりなどの軽食をとる
・重要な仕事は午前中や午後2時ごろに設定する

こうした工夫で、血糖値が安定し、余計なイライラや失敗を防ぐことができるはずです。

血糖値コントロールは即効性があり、人によっては数時間で効果を実感できます。

まずは1日、血糖値を乱高下させない工夫をしてみて、ご自分の心と体がどう変わるか、検証してみてはいかがでしょうか。

小池 雅美 医師。こいけ診療所院長。なす医院非常勤医師。臨床分子栄養医学研究会特別認定指導医、漢方専門医。

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こいけ まさみ / Masami Koike

漢方・栄養療法のみならず、各種統合医療を通じて培ってきた豊富な経験と顔貌、姿勢などから患者の栄養状態を言い当てる優れた洞察力で、多くの患者を改善に導く。体を見るということは、何らかの症状のある場所や検査のデータを見ることだけではなく、食事、笑い声、人間関係、仕事のやり方、そうした生活のすべてが含まれると考え、その延長として、漢方や栄養の勉強を始めて現在に至る。『気分の9割は血糖値』(東洋経済新報社)が初の著書となる。趣味はさかな釣り。

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