夕方のイライラ、焦燥感、すべて血糖の乱れが原因? 体のメカニズムを知れば、感情のコントロールはもっと楽になる
なぜ夕方なのか。それはほかならぬ「血糖値」が乱れやすい時間帯だからです。
「血糖値? なぜ機嫌と血糖値が関係するのか」と不思議に思われた方もいるかと思いますが、実は「気分・機嫌」と「血糖値」はダイレクトに結び付いているのです。
血糖値は基本的に、食事をとると上がり、食後2~3時間で本来は元に戻ります。
しかし、たとえば朝食を抜いて昼まで働き、かなりの空腹状態で「ラーメン&半チャーハン」のような糖質たっぷりの昼食をかきこむように食べたとします。すると血糖値が急激に上がり、その後、過剰に分泌されたインスリンの働きで急激に血糖値は下がります。
血糖値が急降下(=反応性低血糖)を起こすと、脳は「エネルギーが足りない」と感じ、血糖値を上げるためにアドレナリンやコルチゾールを放出して体を防御モードに切り替えます。このとき脳の前頭葉(理性や感情の制御を担う部分)の働きが鈍り、イライラや衝動的な怒りが出やすくなります。すると怒りや感情をコントロールできなくなってしまうのです。
さらに夕方は空腹によって血糖値を維持するホルモン、コルチゾールが徐々に減少するために血糖値を維持しにくくなる時間帯。このとき血糖値を上げようとしてアドレナリンが分泌されて、ますますイライラが募る場合があります。アドレナリンは血糖値を上げる作用がありますが、闘争や興奮反応を引き起こすホルモンでもあります。
先に述べたU課長が「午後4時に不機嫌になる理由」はこのためかもしれません。
部下たちは「あの人はああいう性格だから仕方がない」「あんなことで怒り出すなんて我慢が足りない」と思っていますが、そうではなく、血糖値の乱れが背景にある可能性が高いのです。体が暴走している状態なので、本人の意思では止めることが難しいのです。
仕事の成果は血糖値と関係している?
血糖値の乱れは仕事の成果にも大きく影響します。どんなに優秀なビジネスマンでも、血糖が乱れているとパフォーマンスは大きく落ちます。
血糖値が乱れるとたとえば下記のような現象が起こります。
・集中力が続かない
・感情のコントロールが利かない
これらはすべて「成果を逃す」要因となります。
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