「幸せ夫婦」と「別れる夫婦」が口論で見せる"主導権争い"の決定的な差異

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それよりもコントロールしたいという欲求を利用して、共に冷静になって争いを小さくする方法を見つけるほうがはるかにいい。そのような協力が対話の他の部分にも広がり、気がつくと一緒になって解決策をさがしているということはよくある。

愛の心理学者のテクニック

理解のためのルーピングが大きな力を持つ理由はここにある。あなたが相手の話を聞いていることを証明するとき、あなたは事実上、会話の主導権の一部を相手に与えることになる。

また調和の原則が効果的な理由もここにある。相手に合わせて、相手が感情的であれば感情的になり、現実的なマインドセットであれば、こちらも現実的になることで、対話の流れについての主導権を共有していることになる。

聞いていることを証明することに加え、正しいことについてコントロールしようとする必要がある。これらを含めた多くの知見を得た愛の心理学者たちは、結婚セラピーのやり方を見直し始めた。

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相手を変えようとするのではなく、相手の欠点を受け入れることに重点を置く統合的行動カップル・セラピーなどの新しい方法が広がり始めた。10年も経たないうちに、何千人ものセラピストが愛の心理学者のテクニックを使うようになった。

デンバー大学の研究者であるスタンレーは「結婚セラピストたちは、もともと自分たちの目指すものはカップルが問題を解決する手助けをすることだと思っていた」と言う。けれどもいまの結婚カウンセリングでは、以前よりカップルにコミュニケーション・スキルを教えることに重点を置いている。

「解決策のない対立はたくさんある」とスタンレーは私に言った。「しかし誰もがコントロールできていると感じると、対立はそのまま消えてしまうことがある。あなたは自分の考えを話し、パートナーがそれを聞き、そして一緒に取り組むことを見つけると、問題は大したことではないと感じられるようになる」。

チャールズ・デュヒッグ 作家

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Charles Duhigg

ジャーナリスト、作家。イェール大学卒業。ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。『ニューヨーク・タイムズ』でビジネス担当記者として長年活躍し、ピュリッツァー賞をはじめジャーナリズム関連の受賞歴多数。

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